講談社タイガ編アンソロジーのページ

 


                       

「小説の神様わたしたちの物語− 小説の神様アンソロジー ★★


小説の神様

2020年04月
講談社タイガ

(800円+税)



2020/05/28



amazon.co.jp

小説の神様をモチーフにしたアンソロジー。

上記作品の主人公であった千谷一也小余綾詩凪らが必ずしも登場する訳ではありません。
2人の同世代である本好き高校生や、不動詩凪に憧れて小説家を目指す高校生たちが登場する作品があれば、2人が登場する作品もあります。
だからこそファンにとっては楽しいアンソロジー。
「小説の神様」ファンなら是非手を出してみてください。本書を読まないのは、食後のデザートを無視するようなもの。きっと楽しめることでしょう。
特に相沢沙呼さん自身による
「神様の探索」は見逃せません。

「イカロス」:もうひとりの不動詩凪がここにいた、という印象です。
「掌のいとしい他人たち」:小説は全く読まない、というのに書店の正社員って、いったい何故?
「モモちゃん」:旧校舎の図書室で一人小説を書き続ける女子高生の前に現れたのが幽霊って・・・。
「神様への扉」:成瀬秋乃と九ノ里部長の出会いを漫画で。
「僕と“文学少女”な訪問者と三つの伏線」:「文学少女」と自称する綺麗な大人の女性。謎めいた登場ぶりと、千谷一也、成瀬秋乃らを振り回す様が、素敵で実に愉快。
「神の両目は地べたで溶けてる」:マイナーなラノベ作家=水浦しずの大ファンだという女子同級生に翻弄される男子高校生という展開。コミカルな楽しさいっぱいです。
「神様の探索」:不動詩凪と千谷一夜の合作を提案した担当編集者=河埜絢子の側から描いた「小説の神様」。ファンならこれはもう是非読んでおきたい短篇です。
「『小説の神様』の作り方−あるいは、小説家Aと小説家Bについて」:本アンソロジーを締めくくる、あとがき的な篇。

降田 天 「イカロス」
櫻いいよ 「掌のいとしい他人たち」
芹沢政信 「モモちゃん」
手名町紗帆「神様への扉」
野村美月 「僕と"文学少女"な訪問者と三つの伏線」
斜線堂有紀「神の両目は地べたで溶けてる」
相沢沙呼 「神様の探索」
紅玉いづき「『小説の神様』の作り方−あるいは、小説家Aと小説家Bについて」

     


   

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