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「悪霊じいちゃん風雲録」 ★ |
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初めて読む作家さんで期待したのですが、率直に言ってイマイチという感想。 死んだ祖父が成仏せずに年がら年中幽霊となって現れ、孫にちょっかいを出している、という出だし。 一人は、薬種屋<伊勢屋>で次男ながら跡継ぎとなった伊勢次。臆病者で幽霊が大嫌い。それなのに亡祖父の左五平、毎度おどろおどろしい姿で登場しては伊勢次を怖がらせて喜んでいる風。 もう一人は、貧乏御家人の七男である武井文七郎。生前から文七郎にやたら手厳しかった亡祖父の十右衛門、幽霊になってからもまるで変わることなし。 その幽霊祖父2人にそれぞれ命じられ、伊勢次、文七郎は、夜中にヘンな足跡が聞こえるという商家へ幽霊退治に行かされます。 そこからどんな風に面白い展開へと進むのか・・・・と期待したのですが、そうはならなかったなぁ。 結局は、何故幽霊は現れたのか、その理由を探っていけば、ファンタジーよりミステリとも思えてきます。 畠中恵さんの“しゃばけ”シリーズを読み慣れてしまうと、つい比較せざるを得ず。妖というのは幅が広いので、幽霊だけに絞ってしまうと、どうしてもストーリィ展開の幅が狭くなるよな、と感じる次第です。 相州屋の幽霊/筑波屋の幽霊/小料理芳松の夜/再び相州屋の幽霊/離れに棲むもの/料亭小梅の夜/待ち伏せ |