須藤アンナ(すとう)作品のページ


2001年東京都生。24年「グッナイ・ナタリー・クローバー」にて第37回小説すばる新人賞を受賞し作家デビュー。


1.グッナイ・ナタリー・クローバー 

2.超 すしってる 

 


                    

1.
「グッナイ・ナタリー・クローバー ★★☆    小説すばる新人賞
  Good Night Natalie Clover


グッナイ・ナタリー・クローバー

2025年02月
集英社

(1600円+税)



2025/03/21



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孤独な少女二人の出会いと友情、救済を描いた、瑞々しくも清新な友情&青春ストーリー。

舞台は、霧の町、
チェリータウン。その町のモットーは「壊れていないなら直すな」
その意味は、問題ごとになってないなら見て見ぬしろ、ということか。
そんな閉鎖的な町で暮らす13歳の少女、
ソフィア・ウォーカーが主人公。
ソフィア8歳の時に母親は、夫の暴力に耐えきれず、兄エディとソフィアを残して家を出て行く。それ以来父親は、威嚇を持って二人に対し、そのためソフィアはいつも父親の顔色を窺い、その機嫌を損ねないように務めているのが常。そんな生活のため、ソフィアに友達は一人もいない。
そんなソフィアの家の向かい、一人暮らしの老人=
ミスター・ブラックの元に一時的にやって来たのが、ナタリー・クローバーと名乗る少女。
一週間経つと記憶がリセットされてしまい、人格も変わるというナタリーとソフィアは友情を結び、そして・・・・。

まず舞台設定が絶妙。米国の田舎町、その住民を思わせるこのチェリータウンが、何ともストーリーにしっくりしてします。
そして、強面で独善的な
父親スタンリー・ウォーカー、気の弱い町長にお節介な町長夫人、無口なミスター・ブラック等々、各登場人物のキャラクターが明確で、ソフィアの哀れとしか思えないその状況がくっきりしています。
この辺り、児童文学の手法?と感じたのですが、実際に須藤さんは、本作を児童文学のつもりで書いたのだそうです。

ナタリーの記憶が一週間ごとにリセットされる、という人物設定もお見事。
そのためソフィアは、週毎にナタリーと繰り返し友情と信頼を築かなくてはならないのですが、コミュニケーションというその行為は、ソフィアにとって何と貴重な成長体験であることか。

最後、ソフィアとナタリーはどうなるのか。それは本作を読んでのお楽しみです。
安易なハッピーエンドに終わらない処が、また凄く良い。
なお、父親に倣ってソフィアをドジと嘲笑する大人たちばかりではなく、ソフィアのことを気遣ってくれる大人たちがちゃんといたことに救われる思いです。 是非お薦め!


第一週:お向かいのナタリー・クローバー
第二週:月曜日のナタリー・クローバー
第三週:霧の中のナタリー・クローバー
第四週:四人目のナタリー・クローバー
第五週:ナタリー・クローバーとディーン・フェイ

                

2.
「超 すしってる ★★


超 すしってる

2025年12月
中央公論新社

(1700円+税)



2025/12/31



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都立高校受験に引き続き東大受験にも失敗した主人公、“サッチャー”こと相川咲弥。第三志望の私立大学には合格したとはいえ挫折感が否めない。
そんな咲弥の元に届いたのは、<
西東京すし養成大学>なるところからの合格通知書。
よく分からないままその大学に赴いた処、やはり大学受験に失敗した仲間、
CV、小町、パーちゃんの3人もやって来た。
「すし養成大学」とはいったい・・・?

題名からすし調理の養成コースのようなものを想像していたのですが、まるで大違い。
「すし」「すしってる」ってこりゃ、いったい何なんだぁ〜?

何なのだ、このストーリーは? 奇想天外というよりちんぷんかんぷん、というに等しい。頭がついていけず、もう虚ろ状態。
でも中盤を過ぎて、ようやく妄想の陰に隠れていた現実が見えてきました。

要はサッチャー、敗北感から自分はもう何ものにもなれない、と思い込んでしまった様子。
その隙に入り込んできたのが、すし養成大学、その学長を名乗る
板ノ上真魚という次第。
サッチャーたち4人、そのまま○○になるのか、それとも別の道を選ぶのか。

バラバラだった相川一家の再構築、志望校に合格した同級生との会話から、サッチャーたちが新しいスタートに向かっていく処が嬉しい。
前半こそ途方に暮れた気分でしたが、後半は予想外の面白さ。
須藤アンナさん、読者を翻弄してくれますなぁ。(笑)


1.オリエンテーション:シャリ/2.実技試験:ネタ/3.中間試験:ガリ/4.プレゼン課題:サビ/5.最終試験:握り

          


   

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