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1.野ブタ。をプロデュース 2.空に唄う 3.ヒーロー! |
●「野ブタ。をプロデュース」● ★☆ 文藝賞 |
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2008年10月
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ブオトコで陰気、女生徒が思わず「気持ち悪い」と声を洩らしてしまうような転校生を、同級生がプロデュースしてクラスの人気者に仕立て上げようというストーリィ。まず、その着想の奇抜さに驚いてしまう。 主人公は桐谷修二。クラスの男たちからも頼りにされ、男子生徒から人気の高い女生徒、奈美やマリ子の好意も勝ち取っている。しかし、本人曰く、それはすべて自分をうまく装っているから、ということになる。 最初から修二という主人公には違和感を抱きました。むしろ、小谷信太の方が外見はともかくも、内面においてはずっと真情を備えている。 |
●「空に唄う」● ★★ |
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2012年06月
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寺の息子で新米僧侶の海星、23歳。 死んだ筈の女性の姿が見える、それも何故か主人公にだけ、というのは割りとあるストーリィ・パターンです。 最初はびっくりして碧から逃げ回った海星ですが、落着いてからは何とか碧のためにと心を尽くす。 |
3. | |
「ヒーロー!」 ★★ |
2019年06月
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学校からイジメを一掃するためには何をしたら有効か。 そんな良い方法があったら是非聞きたいと思う処ですが、子供の頃から特撮ヒーロー好きだった新島英雄が考え出した方法とは思いも寄らぬ奇想天外なもの。 それは、イジメっ子の関心を引き付けるようなパフォーマンスを演じて気を逸らせば良い、というもの。 高校演劇部で演出担当の佐古鈴は、英雄から協力してもらいたいと頼まれ、昼休みに校庭の真ん中で英雄が行うショーに引っ張り込まれます。その鈴が最初に提案したのは、英雄が大仏のマスクを被ってバレエを踊ること。 しかし、そのことが同じ演劇部で脚本担当の小峰玲花と鈴の間に亀裂を招くことになろうとは・・・。 一方、自分は正しい、間違っていないという思い込みが人間関係を悪化させてしまうことになりかねないものであることを鈴は知ることとなります。 自分本位の正義感は、時として相手を追い込み、傷つけ、居場所を奪うことに繋がりかねないという一面の真実を、英雄の物言わぬパフォーマンスを通じて訴えようとする趣向が奇抜かつ秀逸です。 奇想天外にして痛快、そして爽快な高校生ストーリィ。是非お薦め! なお、「どうぶつ物語〜その後の演劇ショー〜」は上記中編小説の付録のようなものですが、結構楽しめます。 ヒーロー!/どうぶつ物語〜その後の演劇ショー〜 |