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「踊れ、愛より痛いほうへ」 ★★ | |
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前から気になっていた向坂さん、今回も芥川賞候補作止まりということで、かえって読んでおこうという気になった次第。 でもこの作品、主人公の行動が奇矯過ぎていて、どう感想を語れば良いのやら。 主人公のアンノ、幼い頃に従兄から、母親が自分のために妹を産まなかったと知らされ、ショック。 それ以来、アンノの母親に対する見方が変わっていきます。 また、納得できないことがあると、頭が「割れて」しまうのがアンノの性格。 そのため、アンノにとってはそうせざるを得ない行動も、親から見ると奇妙な反抗としか思えない。 高校になると、母親の「あなたのため」から逃げようと、小さな庭にテントを張り、以降テント暮らし。 その一方で、他人の家にはズカズカと入り込んでいく観があるのは、どういうことなのか。 家族からの縛り、押しつけに対し、アンノの拒否しようという気持ちは分かりますが、ここまで逃避行動を取ってしまうと、さぞ生きにくいだろうなァと思ってしまいます。 |