向坂くじら(さきさか)作品のページ


1994年愛知県名古屋市生、横浜市育ち、慶應義塾大学文学部卒。2016年にGt.クマガイユウヤと詩朗読&エレキギターのユニット<Anti-Trench>を結成。21年に詩「食いちがう」にてびーれびしろねこ社賞大賞を受賞。22年、小学生から高校生を対象とした私塾<国語教室ことば舎>を開設して主宰。24年初小説「いなくなくならなくならないで」、25年「踊れ、愛より痛いほうへ」により、連続して芥川賞候補。

 


                    

「踊れ、愛より痛いほうへ ★★


踊れ、愛より痛いほうへ

2025年06月
河出書房新社

(1700円+税)


2025/07/30


amazon.co.jp

前から気になっていた向坂さん、今回も芥川賞候補作止まりということで、かえって読んでおこうという気になった次第。
でもこの作品、主人公の行動が奇矯過ぎていて、どう感想を語れば良いのやら。

主人公のアンノ、幼い頃に従兄から、母親が自分のために妹を産まなかったと知らされ、ショック。
それ以来、アンノの母親に対する見方が変わっていきます。
また、納得できないことがあると、頭が「割れて」しまうのがアンノの性格。

そのため、アンノにとってはそうせざるを得ない行動も、親から見ると奇妙な反抗としか思えない。
高校になると、母親の「あなたのため」から逃げようと、小さな庭にテントを張り、以降テント暮らし。
その一方で、他人の家にはズカズカと入り込んでいく観があるのは、どういうことなのか。

家族からの縛り、押しつけに対し、アンノの拒否しようという気持ちは分かりますが、ここまで逃避行動を取ってしまうと、さぞ生きにくいだろうなァと思ってしまいます。

       


   

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