冴崎 伸
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1978年千葉県南房総市生。大学卒業後、コナミスポーツ株式会社に就職。その後大病を患い退職。「忘れ村のイェンと深海の犬」にて第25回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。

  


     

「忘れ村のイェンと深海の犬 ★☆   日本ファンタジーノベル大賞優秀賞


忘れ村のイェンと深海の犬画像

2013年11月
新潮社刊

(1500円+税)

 

2013/12/21

 

amazon.co.jp

“忘れ村”と言われるくらいに貧しいホロー村。 そのホロー村で生まれ育ったイェンは、後に“女英雄イェン”とも“ホロー村の女傑”とも言われるようになります。
その女英雄イェンについて書かれた史書を紐解く、というところから語り始められるファンタジー冒険物語。

13歳のお転婆娘
イェンはある日、入江で瀕死の状態にあった生き物を拾い、助けます。それは全身が白い毛に覆われ、短い六本の足を持った不思議な生き物。元気になったその生き物はすっかりイェンに懐き、シェールという名付けられます。
しかし、村の長老たちは
“族”の子ではないかと言い、村にとって大きな危険になるからシェールを捨てることをイェンに命じます。イェンは仕方なくその命令に従うものの、シェールは何度もイェンの元に戻ってきてしまう。その結果イェンの一家は村中から排撃される羽目に。
そこからイェンの冒険物語が蓋を開けます。

本書においては13歳の少女イェンとシェールのコンビが魅力的。しかし、イェンはシェールの危険性を冷静に理解していて、そのシリアスさもまた本作品の得難いところ。
一方、イェンの冒険ってどこが冒険なの?とも、結局“族”とは何だったのか?等々、今一つ納得いかない面もあります。
主人公の魅力と面白さが、ストーリィの粗さと呆気なさと同居しているという印象。
それ故に、面白さの余韻と物足りなさも共に残った気がします。

 


  

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