2013年05月
講談社刊
(1400円＋税)

2013/08/12

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空手大好きな小学生たちを主人公とした児童向け作品。
小５女子の西島光希は空手が大好きな、溌剌とした少女。引っ越しを機に新しい道場を探しますが、見つけた大濱道場は如何にも寂れた感じで何やら問題を抱えている様子。
それでも残っているたった２人の練習生＝小２の有山翼と小３の荻原礼奈という仲間を見つけ、楽しそうに練習を始めた光希でしたが、翼は小児ぜんそくという持病持ち、礼奈も何やら家庭に事情を抱えているらしく前途多難。
そうした３人の他、光希と同級生でいじめられっ子の桃井太郎、学業・スポーツ万能で空手は茶帯という小野悠太は太郎いじめの常連者。

空手の練習をすると気持ちが引き締まって大好きという子供たちながら、自身に問題があったり、大人たちの誤解等があったりという事情を抱え、好きというだけでは中々問題は解決しません。光希でさえクラスで孤立するという憂き目に遭います。　
それでも「ストグレ！」（奄美大島の言葉で「負けてたまるか」の意）魂の持ち主である光希に引っ張られ、子供たち一人一人が一歩ずつ前進していくストーリィ。

生き生きとした子供たちの掛け声の中に負けてたまるかという彼らの気持ちがこだましているようで、とても気持ちの良いストーリィ。児童向け作品ですけれど、大人が読んでも十分楽しく、また子供たちに教えられる気がします。

1.新しい町で／2.春風に吹かれて／3.道場の謎／4.茶帯の憂鬱／5.くじかれたプライド／6.勝利の女神／7.とけない誤解／8.川とボールペン／9.親子空手教室／10.再会