中島たい子作品のページ No.2



11.
万次郎茶屋

12.かきあげ家族

【作家歴】、漢方小説、そろそろくる、建てていい?、この人と結婚するかも、結婚小説、ぐるぐる七福神、LOVE & SYSTEMS、心臓異色、院内カフェ、がっかり行進曲

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11.

「万次郎茶屋 ★☆


万次郎茶屋

2017年04月
光文社

(1600円+税)

2021年09月
光文社文庫


2017/05/25


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SF? ファンタジー? ユーモア? 温かみがあってちょっと笑える短篇集。

「親友」:人類出直しの為廃止が決まった西暦最後の大晦日が舞台。親友って何でしょうね?
「初恋−ファーストコンタクト−」:宇宙旅行到来時の新婚夫婦のお話。
「質問解答症候群」:やっと長年のトラウマが解消したというのに、問題は少しも解決しなかった、という結末が可笑しい。
「80パーマン」: 100%のスーパーマンではなく、何をやっても80%だから80パーマン。それがかえって良かったのか。さらに120%マン、真打100%マンも登場。これって、大人の男性のためのお伽話かも。

「万次郎茶屋」:表題作ですが、この篇はお見事。
登場するのは、動物園で不人気を囲っているイノシシの
万次郎、何故か万次郎に会いに足繁く通ってくる女の子のエリ、飼育員の星野という3人が主要登場人物。万次郎とエリの夢は? 実際に万次郎とエリの幸せとは何? 夢の話も入り込み、温かな気持ちになります。

「私を変えた男」:バツイチ女性を一転させて幸せに導いたのは誰だったのか。宇宙人って、本当にいたのでしょうか。

親友/初夜−ファーストコンタクト−/質問解答症候群/80パーマン/万次郎茶屋/私を変えた男

               

12.
「かきあげ家族 ★★


かきあげ家族

2020年08月
光文社

(1600円+税)



2020/09/04



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「○○○○家族」と題しての家族ドラマは割とありがちですが、シリアスな内容のものが多い気がします。
それをコメディ風に描いたらどうなるか・・・という問いの答えが本作品であろうと思います。

主人公はコメディ映画のベテラン監督である
中井戸八郎・69歳。しかし、撮る筈であった作品の監督を降ろされて以来スランプ状態で、引退の文字もちらちら頭に浮かんでいる状況。
元女優である妻の
百合子に問題はないものの、次男の真太郎・36歳は20年来のヒキコモリ、そこに娘の美子が離婚したと言って孫の吾郎・10歳を連れて戻ってくるかと思えば、新潟で大手菓子メーカーに勤める会社員である長男の章雄・44歳が会社を自主退職したと家族を置いていきなり戻ってきます。
という訳で、ドタバタ喜劇風家族ドラマが幕を開けます。

大胆に言ってしまうと、スラップスティック・コメディ映画の小説版、家族全員による群集劇、というところ。
中でも、祖父=八郎と孫=吾郎のやり取りがツッコミとボケの連発でまるで漫才と言っても良いくらい。
また、ちょっとした事故が自殺未遂と騒がれたり、救急病院の場面で八郎が思いがけず映画監督の本領を発揮したりと、笑えることだらけ。本作品を映画化したらさぞ面白いだろうなぁ、と思うばかりです。

それらを経て最後に思わぬ爆弾炸裂、と言うべき驚くべき事実が明らかになり、その結果として八郎のリベンジが成り、家族もそれなりにまとまるといった展開には、ただただ脱帽です。

なお、中身が分からない「てんぷら家族」に対し、我が家はぐちゃぐちゃだ、ということから
「かきあげ家族」とのこと。

    

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