長江優子作品のページ


1971年東京都生、武蔵野美術大学卒。テレビの構成作家として主に子ども番組の制作に携わる。2006年「タイドプール」にて第47回講談社児童文学新人賞佳作を受賞し、同作で作家デビュー。

 


           

「百年後、ぼくらはここにいないけど ★★


百年後、ごくらはここにいないけど

2016年07月
講談社刊
(1400円+税)

 


2016/09/18

 


amazon.co.jp

渋谷にある中学の歴史地理部
帰宅部よりずっと良いと自由気ままな歴史地理部に入部した
石田健吾草野太陽、それなりに満足すべき部活生活を送ってきたのですが、3年で太陽が部長、健吾が副部長となった時から状況が変わってきます。
会社員から教師に転身したという熱血教師の
堀田先生が部の顧問となり、部存続のためにも存在をアピールできるものを秋の学習研究会に提出するように、との指示。
太陽が率先してジオラマ作りを先導する一方、健吾は過去のトラウマから乗り気になれず。
しかし、肝心の太陽が突然転校することとなり、健吾が他の4人をリードする役を担うこととなりますが、さて・・・・。

歴史地理部に属する中学生たちの物語です。
ジオラマというと、単なる模型、おもちゃのようにも考えられますが、さすがに自分たちの地元である町の姿ともなると、そこにはいろいろな思いが生じます。
読み手にとっては 100年前の渋谷がどういう様子だったのかを知るという興味(ちなみにハチ公像はナシ)、面白さという点では登場する中学生たちと共通です。
そして中学生たちにとっては 100年前の渋谷と現在の渋谷がどう繋がっているかを考えることによって、人と町が刻んできて今の渋谷という街が出来上がっていることを学ぶ機会となります。

中学生たちと一緒にジオラマ作りに没入できる処に、本作品の楽しさあり。

※渋谷という街に親しみがある程楽しめるストーリィ。私においては学生時代の一時期に関わりがあっただけで、渋谷にはもう20年ぐらい行っていないなァ。かまぼこ型かつ頭端式の東急東横線ホームが懐かしいです。

                 


   

to Top Page     to 国内作家 Index