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1.ラヴィン・ザ・キューブ 2.安全靴とワルツ |
●「ラヴィン・ザ・キューブ Lovein' the Cube」● ★★ 小松左京賞 |
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2009/03/22
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痴呆化した父親の介護のため、工業デザイナーを道を諦めた主人公=水沢依奈は、現在ロボットメーカーのトップ企業の生産管理部でプロジェクト・リーダーとして働いている。 その依奈、突如として特装機体開発室に異動を命じられます。しかもその役割は秘書? 人間と見分けがつかないようなアンドロイドを作り出すための極秘プロジェクト、その目的は、その是非は、といったSF要素が本小説の主ストーリィであることに疑いはありません。 その意味で、清新なSFワーキング・ウーマン・ストーリィ。 |
●「安全靴とワルツ」● ★★☆ |
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2011/12/27
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稀に見る、純然たる理系女子のお仕事小説。しかも傑作である。 主人公の坂本敦子は独身、30歳。高専の機械科を卒業して以来オリオン自動車の浜松工場勤務で、現在工務課所属。 あれこれもみくちゃにされながらも、浜松工場の恋人ともスレ違いで破綻しながらも、底力で各所に持ち味を発揮していく叩き上げ派=敦子の姿は、痛快といっていいぐらい活力に溢れていて、魅力に富んでいます。 題名にある“安全靴”、冒頭における敦子の立ち位置を象徴すると同時に、ストーリィ中で敦子が味わった災難の原因ともなり、さらに敦子がとった選択を象徴する道具にもなっています。 ※理系女子の学園青春小説に まはら三桃「鉄のしぶきがはねる」あり。 |