●｢おまえうまそうだな｣●　★★☆　　　　　　　けんぶち絵本の里大賞

　


2003年03月
ポプラ社刊
(1200円＋税)

　　
2011/04/03

　　
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生まれたばかりのアンキロサウルスの赤ちゃん。
それを見つけて「ひひひ・・・・おまえうまそうだな」と喜び、よだれを流しながらとびかかろうとしたのがティラノサウルス。
ところが、アンキロサウルスの赤ちゃんに、「おとうさーん！」「さみしかったよ。こわかったよ」としがみつかれ、びっくりしたティラノサウルスは・・・・というストーリィ。

赤ん坊の無垢な信頼と、思わずそれに応えてしまう乱暴者の、ユーモラスで心温まる、絵本物語。
恐竜を登場人物に持ってきたところが秀逸、とても面白い。

ふと、ガーゾーン「カラ」を思い出します。
本書が児童向けにユーモラスな物語になっているのに対し、「カラ」は新生の物語で、遥かにストイックです。

どちらがどう、ということは思いもしませんが、両作品を並べて考えてみると、また別の局面が見えてくる気がします。