宮木あや子作品のページ No.1


1976年神奈川県生、東京都在住。2006年「花宵道中」にて第5回「女による女のためのR-18文学賞」大賞および読者賞をダブル受賞して作家デビュー。2013年「セレモニー黒真珠」にて第9回酒飲み書店員大賞を受賞。


1.
花宵道中

2.雨の塔

3.白蝶花

4.セレモニー黒真珠

5.野良女

6.憧憬☆カトマンズ

7.校閲ガール

8.砂子のなかより青き草

9.帝国の女

10.校閲ガール ア・ラ・モード


校閲ガール トルネード、手のひらの楽園、CAボーイ

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1.

●「花宵道中」● ★★★            R-18文学賞−大賞・読者賞


花宵道中画像

2007年02月
新潮社刊
(1400円+税)

2009年09月
新潮文庫化



2008/02/02



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江戸は吉原の遊郭「山田屋」を舞台に、遊女たちと彼女たちと関わりあった男たちの有り様を鮮やかに描き出した連作短篇集。

まず冒頭、表題作「花宵道中」に驚愕させられました。とてもデビュー作とは思えない傑作!、というべき一篇。
遊女の朝霧を主人公に、彼女が八幡様の人込みの中で出会った半次郎とのせつない交情が、花がぱぁーっと咲くが如く艶やかに描かれます。
遊女と、袖振りあった男との情愛といったよくあるパターンとも言えますが、それでいてこんなにも刹那的で切ない場面には出会ったことない、という見事な場面が繰り広げられます。
惚れた男の前で別の男に弄ばれる、惚れた女が目の前で他の男によって気を遣り失神する。そしてようやく2人が再会したときに朝霧が演じる花魁道中の華麗なイメージ。それはもう圧巻です。
結末は別として、脳裏に焼き付いたその艶やかな残影は、読み終えた後もなお一層と鮮やかさを増していくようです。

遊女とその男たちとの物語ですから官能的な場面は幾度もありますけれど、妖艶であっても決してエロティックではありません。むしろ切なさを一層高めているといって良いでしょう。遊女が抱く純愛だからこそより切なく、またいっそう甘美なのです。

「花宵道中」での話はそれで終りかと思っていたら、とんでもない。「青花牡丹」ではその前にあった深い事情が物語られていきます。それは朝霧の姉女郎=霧里とその弟=東雲の、京から始まる物語。
そしてさらに、朝霧の妹女郎だった八重を主人公とする「十六夜時雨」の物語も、もう堪んないなぁ、と思うくらい見事な一篇。

とにもかくにも朝霧の面影が全篇を覆い、陶然とさせられつつ、一気に読み通すことができない程に女たちの命の重さを荷わされる連作短篇集。
登場する遊女たちの一人一人の命が、本書の中でどんなに強く脈打っていることでしょう。いやはや、凄い一冊です。
こんな小説を読み逃すことこそ、勿体ないこと。是非お薦め。

花宵道中/薄羽蜉蝣/青花牡丹/十六夜時雨/雪紐観音

       

2.

●「雨の塔」● 


雨の塔画像

2007年11月
集英社刊

(1200円+税)

2011年02月
集英社文庫化



2008/03/25



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花宵道中を読んで宮木さんに魅せられた人が2作目の本書を読むと、余りに「花宵道中」と異なる印象のため困惑する、と聞いていました。
予め覚悟して読めばそんなことはあるまいと腹を括っていたのですが・・・・やはりこれは困惑しますねぇ。
印象が異なるというより、ストーリィの中味をどう理解すればいいのだろう?という点において。

本書は、外界から隔絶し、まるで島流しされたような寄宿生の学校を舞台にした4人の少女たちをめぐる物語。
いくら隔絶した学校だからといって、登場人物はその4人だけ、そしてその4人の中で常に2人ずつの組み合わせによってストーリィが織り成されていくのですから、困惑するなといっても困惑してしまう。
4人とも、この隔絶された学校に追いやられてきたのには、それだけの事情があります。だからこそ、その4人が顔をつき合わせていくからにはそれだけの危うさが生まれる。

現代もの、少女が主人公という違いがあっても、遊郭の遊女たちを描いた「花宵道中」と共通するものを含んでいます。
親から捨てられるような形で切り離され、閉鎖された世界に閉じ込められたこと。各々が事情を抱えながらそれを隠すようにして共同生活を営もうとしていること。晴れてそこから出て行く者もあれば、抜け出せないままとなる者がいること。
男、あるいは客という存在がないながら、閉じられた世界の中で女同士が各々の情念を抱えているという点で共通していると思うのです。
・・・と頭の中で理解はしても、男性である私としてはこうした“百合”系のストーリィには辟易せざるを得ません。

     

3.

●「白蝶花(はくちょうばな)」● ★★


白蝶花画像

2008年02月
新潮社刊
(1400円+税)

2010年10月
新潮文庫化

2017年02月
幻冬舎文庫化



2008/05/02



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太平洋戦争前後という時代を舞台に、女たちの叶えられない恋愛模様を描いた連作短篇集。
趣向としては花宵道中に連なるもの。

遊郭という場所に閉じ込められてはいないものの、時代や社会あるいは境遇という枠に閉じ込められているという点では、「花宵道中」に共通するところがあります。
本書に登場する女性たちの恋愛はそれ故に受身のものですが、そうした中にあっても恋、性愛への渇望に身も心も焦がすという処は、現代のラブストーリィ以上に生々しく艶なる女性の姿を感じさせられます。
その点では冒頭の「天人菊」がお見事。同じ芸者置屋に売られながら互いに反目し合う姉妹(菊代・雛代)の狂おしくも対照的な運命は、鮮烈さにおいて「花宵道中」に引けを取りません。

ただ、「花宵道中」のような連鎖していく展開がないため物足りないと感じていたら、中篇というべき「乙女椿」の途中から「天人菊」「凌霄葛」のストーリィが見事に絡まり、あっと言わせられます。
単なる短篇集かと思いきや、連作集であることを一気に見せつけるその手並みの鮮やかさ、嬉しくなります。

本書に登場する女性たちはみな恋愛において受身ですが、男たちが死の途につこうと、女たちは力強く次代に生命を繋いでいく。官能的な性愛に溺れつつも、その一方で新たな道を切り開く役割をリレーのようにしっかり果たす、そんな女性たちへの讃歌を感じる連作集でもあります。
(男たちはただ本能的に種の保存という役目を全うしている、とも言えますが)
最後の「雪割草」はあっさりと軽く、エピローグ的な小篇。

天人菊/凌霄葛(のうぜんかずら)/乙女椿/雪割草

         

4.
「セレモニー黒真珠 ★★


セレモニー黒真珠

2009年03月
メディアファクトリー刊

(1200円+税)

2011年10月
MF文庫化



2016/01/27



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読み逃していた作品ですが、校閲ガールア・ラ・モードの最後に登場した木崎が本書の登場人物と知り、興味を惹かれたという次第です。
町の小さな葬儀会社
<セレモニー黒真珠>。そこに勤める笹島、木崎、妹尾という3人の社員を中心に据えた、すこぶる楽しめる連作ストーリィ。

葬儀屋に関わるストーリィとなれば、葬儀を軸にいろいろな人生ドラマを描いた短篇集かな、と思いますが然に非ず。
基本的には“お仕事小説”といった内容です。ただし、本書で請け負った葬儀の幾つかは主人公たち自身にも関わるもの。そこから、葬儀屋社員になるに至った主人公たちの人生ドラマの一部が垣間見える、という構成になっています。
つまりは、お仕事+人生ドラマ+恋愛というストーリィ。

本ストーリィの魅力は葬儀会社の仕事場面にもありますが、3人の個性的なキャラクター+濃い人物造形が何と言っても魅力。
普段はクールなのに、いざという時は互いを気遣い、手を差し伸べる優しさのある処が嬉しい。

「セレモニー黒真珠」:派遣社員として働き始めた妹尾愛麗子の事情が、請け負った葬儀から明らかになる篇
「木崎の秘密」:木崎正行の秘密が明らかにされる篇。
「主なき葬儀」:借金を残して蒸発した父親の葬儀の連絡が、何故妹尾の元に届いたのか。
「セレモニー白真珠」:笹島の抱えていた事情が明らかにされる篇。
「あたしのおにいちゃん」:兄を慕う妹と兄の恋人とのバトル。
「はじめてのお葬式」は番外編。3人は脇役です。

願わくば、是非もう一度この3人に会いたいものです。


セレモニー黒真珠/木崎の秘密/主なき葬儀/セレモニー白真珠/あたしのおにいちゃん/はじめてのお葬式

       

5.

●「野良女(のらおんな)」● ★★☆


野良女画像

2009年07月
光文社刊
(1300円+税)

2012年11月
光文社文庫化



2009/08/21



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何とも愉快、傑作!と言いたい連作短篇集。

主人公はいずれもアラサーの独身女性たち、5人。
奔放で可愛げがあって、自分の欲求に正直で。もう30歳間近、躊躇している余裕はないからと、なりふり構わずストレートに行動することを躊躇わない。
セックス相手は欠かせない、贅沢言わず程々のところで手を打つから結婚したい、等々。そんな彼女たちの本音トーク、唖然とするやら絶句するやら。でも愉快、痛快、楽しい!

その中の一人を例にとると、付き合う相手はいつも暴力男。
そういう人って、馬鹿のひとつ覚えみたいにセックスが良いの。バカな上にセックスまでヘタだったら別れてるよ、という一言が痛快。そのうえ傷とか痣があると、お客さんが憐れんで保険に入ってくれるんだよね、というのですから、一挙両得らしい。
もっとも、不倫交際の結果ギリギリのところまで追い詰められるという展開を描いた1篇もありますが、他は総じて痛快なストーリィばかり。

「野良女」という本書題名、子供の頃に見たTVマンガに「ドラ猫大将」というのがありましたが、そんな野良猫を彷彿させる題名で、真に妙あり。
多少、いや相当なトラブルがあっても、めげず、励まし合い、あくまで自分の“好き”を通していく、ちょっとは後悔しながら、というのが現代の野良女道なのです。
それでも最後、落ち着いて行くべき処はちゃんと心得ている、という辺りが宮木さんの卓抜なところ。

アケスケな本音トークは絶品の面白さ! 閉塞感を吹き払って楽しむには格好の一冊です。お薦め。

尻の穴に座薬(鑓水28歳)/くちびるから松阪牛(朝日30歳)/太陽にぽえむ(壺井28歳)/模型だらけの俺んち(桶川29歳)/曇りガラスの三十代(横山28歳)/愛して野良ルーム

          

6.

●「憧憬☆カトマンズ」● ★★


憧憬☆カトマンズ画像

2011年06月
日経新聞社刊
(1300円+税)

2014年10月
ダ・ヴィンチ
文庫化



2011/07/25



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現派遣社員&元派遣社員という、29歳の女子2人+αを主人公にした、痛快なワーキングガール小説!
特に主人公となる女性2人の人物造形がすごく良い。

冒頭篇で主人公になるのは、外資系IT企業のサポートセンターに務める派遣社員=
後藤。どんな電話も右から左に受け流すテクニックを駆使して評価も高い。正社員になってくれという依頼を「嫌です」と断り続けている剛の女子。
その後藤と大学以来の友人で、元派遣マネキン転じて管理側となり、転職して今は大手派遣会社の営業担当社員である
中尾が、次篇では主人公となります。

題名と表紙絵からして、軽い娯楽小説と予想したのですが、とんでもない。一見ライト・ノベルかと感じる裏には、現代ワーキングウーマンのシビア、かつしたたかな現実が色濃く描かれています。
この2人の女子が魅力的なのは、まっすぐに自分の力のみで世間に向かい合っているというところにあります。
2人各々に曰く、2人ともアホで有名なユーラシア大出身。そのため、学歴も誇れず、派遣社員である故に会社名も誇れず。
だからこそ自分なりに頑張っていると堂々と主張できる、2人の仕事ぶり、言動、さらに恋愛まで、痛快で爽快、かつ格好いいのです。
また、2人のガールズトークも余計な飾り事がなくそのものズバリ、かつあっけらかんとしている風で、絶妙に愉快。

職場では決して本当の姿は見せないでしょうけれど、こんなワーキングウーマンが2人いたら、是非仲間にして欲しいものです。
予想もしなかった痛快な面白さ、まず女子にお薦め!

憧憬☆カトマンズ/脳膜☆サラマンダー/豪雪☆オシャマンベ/両国☆ポリネシアン

            

7.

「校閲ガール」 ★★


校閲ガール画像

2014年03月
メディアファクトリー刊
(1200円+税)

2016年08月
角川文庫化



2014/04/07



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女子お仕事系痛快エンターテインメント!

主人公はファッション大好きという今ドキ女子、
河野悦子。運よく総合出版社に入社できたものの、配属されたのは憧れのファッション雑誌編集部ではなく、地味な校閲部。「こうのえつこ」という名前が災いしたのかと思いつつ、校閲仕事に奮闘中の入社2年目。

文芸作品の校閲から一刻も早く逃れてファッション雑誌編集部に異動したい、それ故に校閲部にて気に入られようとは思わない。そんなことから、仕事上で同僚編集者、作家に対しても辛辣な言葉が炸裂、遠慮など一切なし、という辺りがすこぶる痛快で面白いことこの上なし。
そもそも悦子の発言が的を射ているからこその痛快さなのですが、普通それをそのまま相手に投げつけることなどできないようなぁ。それなのにそんな過激な発言を平然と言い放つのですから痛快。開き直った女子にもはや敵うものはなし、というところでしょうか。
でも、悦子の仕事ぶりを見ていると、結構優秀なのですよ。ファッション雑誌系情報、女性の機微にはすこぶる強いし、ただナマイキなだけではありません。
それに加えて、校閲という仕事の苦労、面白味もちょっぴり味わえます。そこが読み得部分。

悦子の強烈な言動、飛び交うガールズトークに、作家のドタバタ騒動あり。そのくせ最後に“お仕事とは!”ときっちりと締める部分も有りと、笑いながら仕事についても考えることができるエンターテインメント。愉快です!

1.校閲ガール!?/2.校閲ガールと編集ウーマン/3.校閲ガールとファッショニスタとアフロ/4.校閲ガールとワイシャツとうなぎ/5.校閲ガール〜ロシアと湯葉とその他のうなぎ/エピローグ:愛して校閲ガール

             

8.

「砂子のなかより青き草」 ★★


砂子のなかより青き草画像

2014年06月
平凡社刊
(1500円+税)

2019年01月
角川文庫化



2014/07/18



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一条帝の御世、夫の橘則光とは離縁状態となり、4人の子を抱えて生活に窮したなき子(清少納言)は、元夫の仲介で宮仕えをすることになります。
なき子が仕える相手は、時の権力者=
藤原道隆の娘で一条帝の中宮である定子。自分に宮仕えが務まるのかと危惧したなき子でしたが、定子の周囲は意外にも和やかな雰囲気で、なき子は思ったよりも早く宮仕えに馴染みます。
そんな状況が一変したのは、父親の道隆が死去し、代わってその弟の
藤原道長が権力を掌握したことから。自らの権力をさらに高めようとする道長は、定子を一条帝の傍から追いやり、自分の娘である彰子を新たな中宮として内裏に送り込んできます。
定子を守ろうとする
宰相の君や清少納言に対し、彰子付きとなって悪計をめぐらすのが式部の君(紫式部)という具合。

中宮定子と清少納言という平安ドラマには興味津々。その中で、如何にして
「枕草子」は生まれたのか、という余録の面白さも味わえます。
そして、定子の運命が一変してからは、制約された女たち同士の争いという歴史絵巻サスペンスさながらの展開。
しかし、本ストーリィから感じられるのは、サスペンスの面白さではなく、所詮男との関係によって運命を左右されるしかない女性たちが抱える悲しさです。
その代表が中宮定子であることは言うまでもありませんが、なき子も同様であり、ひいては敵役である中宮彰子も例外ではないと言えるでしょう。

自分たち自身の力で運命を変えられない悲しみは、そのまま現代女性へのエールに繋がっています。
それにしても清少納言は純朴で庶民的、それに対し紫式部が何と悪役に仕立てられていることか。実際に同時代のこの2人、お互いをどんな風に思っていたのやら。改めて興味を感じます。

1.賀茂祭/2.時司の楼/3.二条邸/4.職御曹司/5.明順別邸/6.飛香舎/7.登華殿

   

9.

「帝国の女 ★★☆


帝国の女

2015年07月
光文社刊

(1300円+税)

2018年06月
光文社文庫化



2015/09/11



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本書の題名故に余り気を惹かれず見送っていたのですが、思い直して読んでみて大正解。
いやはや、何というワーキングウーマン物語でしょうか、本ストーリィの迫力は本当に凄い!
最初こそ、ブラック的な職場で自分をすり潰すようにして働く女性たちの姿を単に描くだけの作品と受け止めていたのですが、一人二人と続く内、何時の間にか彼女たちの覚悟の程に圧倒され尽くしていました。

本書に登場する女性たちは5人。共通する舞台は大手TV局の“
帝国テレビ”です。本書題名はそれに由来します。
社員、脚本家、女優のマネージャー、雑誌記者と立場は各々異なりますが、昼夜問わず土日関係なくこき使われているという状況です。そんな状況にもかかわらず何故日々奮闘し続けているのかと言えば、それは自分で望んだ職場、仕事だから。
とは言いつつ、恋愛がうまくいかないことや、結婚できそうもないことが彼女たちの悩み。また、頑張っているのに世間の、特に職場の男性たちの彼女たちを見る眼は冷ややか。
さながら、忙しい職場で働く女はつらいよ、という具合です。

年中「やめたい」と思い、周囲から顔色が悪いよと言われながらも奔走しまくっている
松国貞江の章も惹き込まれてしまうのですが、敏腕プロデューサーで美人なのに恋愛に鈍感という脇坂麻耶の章も痛快。
しかし、何と言っても絶句し圧倒されてしまうのは、
片倉一葉の余りに凄絶な人生と、表にそれを出さない彼女の明るさです。

周囲から何と言われようが、自分が選んだ仕事のために突っ走り続けているワーキングウーマンたちに、心からエールを送りたくなる連作ストーリィ。お薦めです!

兵隊系女子(宣伝−松国貞江30才)/指先の砦(プロデューサー−脇坂麻耶34才)/昼飯の角度(脚本家−大島多恵子44才)/蝋燭の火を灯せ(マネージャー−片倉一葉27才)/シュテファーニクの停車場(テレビ誌記者−山浦清美28才)/Combined Girls Fleet(愛して野良ルーム3)

     

10.
「校閲ガール ア・ラ・モード ★★


校閲ガールア・ラ・モード

2015年12月
角川書店刊

(1300円+税)

2017年06月
角川文庫化



2016/01/11



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痛快な女子お仕事系痛快エンターテインメントだった「校閲ガール」第2弾。
今回、校閲ガールこと
河野悦子は脇役に回り、景凡社における彼女の同僚たちを主人公にして描いた連作ものという内容。

仕事、恋愛と、それぞれに悩みもあり、また遣り甲斐もあるという本書ストーリィは、前作に続いて“お仕事小説”であることに何ら変わりはありません。
ただし、後半3篇の主人公は男性陣。ですから前作のような“女子系”とまでは言えません。

森尾は河野悦子と同期の雑誌編集部員、元読モ故の葛藤有り。
米岡は校閲部の先輩社員。自分について定かならず。
藤岩は河野悦子と同期、文芸部編集担当。ダサイというのが定評ですが自分では気にならず。それなのに問題発生!
貝塚、文芸部編集担当。冷めた観ある彼にも密かな思いが。
「ファンジャイ」は、河野悦子の上司である校閲部部長が主人公。編集部時代の事件と、その相手との再会を描く篇。

各篇主人公たちのドラマだけなら割りと平凡なストーリィに留まるところなのですが、それを卓抜なエンターテインメントにして読み手をすこぶる楽しませてくれるのは、各ドラマに河野悦子が絡むから。
「オシャカワ(オシャレしてても無駄で可哀相)」という仇名を賜ってしまった河野悦子の言動が、この続編においても魅力の源泉といって過言ではありません。
是非、第3弾を期待したい処です。


1.校閲ガールのまわりのガール・森尾/2.校閲ガールのまわりのガールなんだかボーイなんだか・米岡/3.校閲ガールのまわりのガールというかウーマン・藤岩/4.校閲ガールのまわりのサラリーマン・貝塚/5.校閲ガールのまわりのファンジャイ/番外編.皇帝の宿/おまけマンガ

               

宮木あや子作品のページ No.2

   


   

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