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「紅葉街駅前自殺センター」 ★☆ 新潮エンターテイメント大賞 | |
2013/02/12
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5回の面接と身辺調査を経れば自殺の支援を受けることができるという“自殺センター”が設立された近未来の日本を舞台にしたストーリィ。 さて主人公は34歳の土井洋介。6年前に1歳の息子を通り魔に斬殺され、それが原因で妻とも別れた主人公はもはや生きる目的を見いだせず、会社も辞めて紅葉街駅前自殺センターの扉を叩きます。そこから始まるストーリィ。 まぁ一部、予想された展開もあるにはあったのですが、それを越えて結末は一気に急転回。 ストーリィはともかく、国家が個人の自殺を支援するということの是非、自殺したいという本人の苦しい気持ちを理解せず、生きることだけをただ強制することの是非等々、世間一般の社会常識に一石を投じた点に本書の意味があるように思います。 一回目/二回目/三回目/四回目/フィルティアルスとエレベーターマン/さよなら/五回目/白の夢/殺人者の夢/はじまり |