松浦寿輝
(ひさき)作品のページ


1954年東京都生。詩人、小説家、東京大学名誉教授、日本芸術院会員。88年詩集「冬の本」にて第18回高見順賞、95年評論「エッフェル塔試論」にて第5回吉田秀和賞、96年「折口信夫論」にて第9回三島由紀夫賞、2000年「知の庭園−19世紀パリの空間装置−」にて第50回芸術選奨文部大臣賞、同年「花腐し」にて第123回芥川賞、 04年「半島」にて第56回読売文学賞、05年「あやめ 蝶 ひかがみ」にて第9回木山捷平文学賞、09年詩集「吃水都市」にて第17回萩原朔太郎賞、14年詩集「afterward」 にて第5回鮎川信夫賞、15年評論「明治の表象空間」にて第56回毎日芸術賞特別賞、17年「名誉と恍惚」にて第53回谷崎潤一郎賞および第27回 Bunkamuraドウマゴ文学賞、19年「人外」にて第72回野間文芸賞を受賞。19年芸術院賞を受賞。日本芸術院会員。

  


       

「わたしが行ったさびしい町 ★★


わたしが行ったさびしい町

2021年02月
新潮社

(1800円+税)



2021/03/13



amazon.co.jp

かつて訪れたさびしい町の記憶を綴ったエッセイ集。
雑誌「新潮」に2019年1月号から20年8月号まで連載された連作エッセイの単行本化。

「さびしい町」というと否定的な印象を受けてしまいますが、本書においては、そんなことはありません。
著者である松浦さん曰く、「わたしがさびしい町が好きだからである」ということですから。
もっとも、本書の中には松浦さんが大好きだという町のことも語られており、「さびしい町」だけではないようです。

単なる旅行エッセイではありません。
いろいろな町を訪ねた時の経緯、その時の状況も合わせて語られており、それは人生の回想に繋がっています。
そこが本作の読み処でしょう。
さびしいと感じたからこそ記憶に強く残り、何故ここに来たのだろうと考え、自分の来し方を振り返ることにもなる、からでしょうか。

それ故に、一気に読み進める本ではないと思います。一日に一篇か二篇ずつ読んでいく、その方が相応しい一冊であると思うのですが、そこはいつも後悔先に立たずと思うパターン。
これから読む方は、是非私のような失敗はなさいませんように。

※松浦さんとは私は同学年でしょうか。私が20代の頃、海外旅行などは夢みたいなものでしたが、普通行かないようなところまで足を伸ばしているところに驚きます。
留学とか学会とか様々な機会があったからでしょうけれど、それにしてもなぁと、つい思わざるを得ず。

ナイアガラ・フォールズ/ペスカーラ/イポー/名瀬/ヴィル=ダヴレー/ニャウンシュエ/タクナ/上野/シャトー=シノン/長春/上田/台南/コネマラ/パリ十五区/江華島/トラステヴェレ/アガディール/ドーチェスター/中軽井沢/夢のなかで行った町

   


  

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