主人公の珠希32歳は一回り年上の夫=史人と略奪愛のような形で結婚して6年。
その史人が珠希に何の相談もなく、いきなり会社を退職。大阪で零細ソース会社を営んでいる叔父夫婦の跡を継ぐと言い出したため、あれよあれよと反対する余地もないままに、夫の実家である北大阪市梅ヶ谷の部屋数9もある鉄筋コンクリート2階建ての夫の実家で義母と同居する羽目になります。
ところが珠希、実際に引っ越していって仰天。その広い筈の実家は、何とゴミ屋敷ならぬ、粗大ゴミと言うしかないガラクタが家中に満ち溢れていた。
さらに、前妻に引き取られた筈の夫の娘=樹里亜が、何と大学生の恋人=祐太朗を連れて祖母の家に転がり込んでくるという事態まで発生。
いったいこのゴミ屋敷で珠希は、安穏な夫婦生活を取り戻すことができるのか? というストーリィ。
まぁ、いろいろなゴタゴタ、事件が次々と起こります。
それにしてもこの手の小説にしては長過ぎるのでは、と感じるのは本書がホラーサスペンスの手法で描かれている所為ではないかと思います。
すべて読み終わってみれば、ただの家庭内ゴタゴタ騒ぎと思えますし、どうしようもないガラクタも、家が広いばかりに思い出の品が積もり積もってしまったと言えばそれまでのこと。
思い出の品も大切ですけれど、前に向かって進むためにはある程度の整理も必要なのではないでしょうか。
ユニークな家族&群像ストーリィ、といえる作品です。
※本書登場人物の中で私が惹かれるのは、こーたんとひろりんと仲が良いらしい、珠希の友人である麻里子の5歳の娘=萌。
序章.星に別れを/1.NEWファミリー/2.母の来訪/3.かつての妻、今の妻/4.空に満天の星/5.火の粉/6.スクラップDAYS/終章.SWEETホーム
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