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「きえもの」 ★☆ | |
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題名の「きえもの」とは、<消え物>。 使うことでただちに消耗するため、使用回数が一回に限られている種類の物を指す、というのが説明文の一部なのだそうです。 食べ物を題材に、<短歌&掌編&短歌>という組み合わせによる掌編集。 各ストーリィは、自由に発想を繰り広げたもの。 面白く感じるものもあれば、よくまぁこんな発想をするものだと感心するものもあり、また頭が付いていかないものもあり、と様々。 そこに共通項はあるのかというと、「あとがき」によれば一応あるようです。 私が受け止められるストーリィもあれば、受け留めきれないストーリィ、理解がとても及ばないストーリィもありますが、それはそれで仕方ない、それで良いのではないかと思う次第。 少なくとも、冒頭の短歌については、九羅さんの独特な発想を楽しむことができるのではないかと思います。 本書を読むのであれば、書店の店頭等で一度中身をざっと確かめてから読み出す方が良いように思います。 楽しめるかどうかは、かなり好み次第の一冊。 |