いとうせいこう
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1961年東京都生、早稲田大学法学部卒。作家、クリエーター。出版社の編集を経て音楽や舞台、テレビ等の分野で活躍。88年小説「ノーライフキング」にて作家デビュー。99年「ボタニカル・ライフ」にて第15回講談社エッセイ賞、2013年「想像ラジオ」にて第35回野間文芸新人賞を受賞。

  


     

「想像ラジオ ★★         野間文芸新人賞



2013年03月
河出書房新社

(1400円+税)

2015年02月
河出文庫化

2013/04/13

amazon.co.jp

「DJアーク」と名乗る38歳のDJ、想像ラジオという媒体をもって声を届け続けます。
本書の帯には
「耳を澄ませば、彼らの声が聞こえるはず」とあります。

読んでいく内に判ります。本作品は、別れた人たちへの想いを残し、あちらへ行く前に何とか声を届けようとしている人々の、生者と死者を繋ぐ物語だということを。
DJアークに応え、投書してきた人々もまた生者ではなくなった人々。東日本大震災が本ストーリィの背景となっているだけに、尚のこと愛する人々たちへ向けた想いが胸を打ちます。
生者側のことは殆ど描かれません。しかし、生者側に死者たちへ馳せる想いがあるからこそ、彼らの声もまた起こり得るのではないか、そう感じます。

この世を去っていく人たちの、別れてきた人たちへ届けようとする愛しい想いが伝わってくる、メッセージ集のような作品。

 


  

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