生馬
(いくま)直樹作品のページ


1983年新潟県生。2016年「夏をなくした少年たち」にて第3回新潮ミステリー大賞を受賞し作家デビュー。

  


       

「雪と心臓 ★☆


雪と心臓

2020年04月
集英社

(1500円+税)



2020/05/18



amazon.co.jp

まずプロローグ
クリスマスの夜、火事で燃え上がった家。2階に取り残された少女を救おうと、通りがかりの軽自動車に乗っていた20代の男が危険を顧みず火の中に飛び込み、少女を救い出す。
しかし、その男は助けた少女を軽自動車に放り込み、そのまま走り去ります。一体、何故・・・。

そして
本編はと言うと、二卵性双生児である姉弟の成長物語。
主人公は、弟の
勇帆(ゆうほ)。はっきり言って凡人。学業・運動ともパッとしないし、性格も日和見。
そんな弟に比し、姉の
帆名(はんな)は傑物と言っていい。勝ち気で好戦的。目上の人間だろうと、相手が間違っていると思えば容赦なし。女子ではあるものの、まさに快男児という風。
小学校から高校まで、勇帆を主体とした成長記なのですが、常に帆名が比較されるべき存在として触れられるのです。

この帆名のキャラクターがすこぶる面白い、魅力的。
本作の魅力はこの帆名の存在に尽きる、と言って過言ではありません。この帆名の物語をこのまま読んでいたい、と思うもののそれが成らず残念です。

エピローグでミステリの真相と、双子のその後が明らかにされますが、<ミステリ譚>と<成長譚>の2つをくっつけた、という印象は拭えません。
読後感は・・・微妙だなぁ。


プロローグ/1.掟破りの季節/2.暗雲に霞む正体/3.不協和音/4.革命遊戯/5.未熟なライフ/6.赤い夜の果てに/エピローグ

   


  

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