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「わたしは孤独な星のように」 ★★ I Wandered Lonely as a Star and Other Stories |
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豊かな着想を堪能できるSF短篇集。 清新な味わいが魅力です。 ・「糸は赤い、糸は白い」:真菌が人間の脳に感染、その結果協調性が生まれ平和になったという舞台設定。そこに年頃の少女たちの青春期らしい感情を絡めたところが面白い。 ・「祖母の揺り籠」:地球、人類の未来を予想すると、やはり海に行き着くのでしょうか。上田早夕里作品に通じるものを感じました。 ・「あるいは脂肪でいっぱいの宇宙」:突然のリアル女子会開催企画。油断して太ってしまったのを慌てるのが可笑しい。 ・「Yours is the Earth and everything that' in」:SFというより、これはもうリアルな近未来の姿ではないでしょうか。 2067、2040、2038、2067年と4つの時期に分けて描かれるストーリー。豊かな物語性を感じる篇。 ・「宇宙の中心でIを叫んだワタシ」:「あるいは脂肪・・・」の主人公=上出萌が再登場。かつてのヒット作のモジリか。 ・「わたしは孤独な星のように」:母親の遺言を果たすため、母親の友人と共に旅する、ロードノベル。 SFであってもロードノベルはやはり楽しい。 糸は赤い、糸は白い/祖母の揺籠/あるいは脂肪でいっぱいの宇宙/いつか土漠に雨の降る/Yours is the Earth and everything that' in it/宇宙の中心でIを叫んだワタシ/わたしは孤独な星のように |