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1.しあわせと勘違いしそうに青い空 2.愛するいのち、いらないいのち |
「しあわせと勘違いしそうに青い空」 ★★ |
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47歳にして無職、仕事への覇気まるで無し、という栗田匡。 でもこの主人公、ちっとも憎めないのです。 最後は、思いもよらない、爽快なエンディング。 |
「愛するいのち、いらないいのち」 ★★ | |
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主人公の御国文音(ふみお)は59歳、古い団地で元クリエイター、現在は無年金・無収入の夫=和倫と暮らしている女性。 収入は文音の給与だけという状況なので、慎ましい暮らし。 しかし、そこに島根で一人暮らしする養父(亡母の再婚相手)=二階堂一が認知症という難題が降ってわいてきます。 おかげで何度も遠い島根まで行き来し、介護や老人施設への入居手続、さらには後見人申請と苦労ばかり。どんどん貯金が減っていくのが怖い。 そんな状況のうえに、大切な夫に肺がん、余命僅かという宣告がなされます・・・。 認知症になり、それでも頑固で身勝手という養父の世話だけでも本当に大変だと思います。 それに現実に重くのしかかって来るのは、お金の問題。施設に入れるにも島根との往復にもお金がかなりかかるのですから。詐欺にも遭い貯蓄がなにもない義父の唯一の収入は年金、それで足りず主人公の家計から持ち出しになっていたら、そりゃ怖い、と思うのも当然のこと。 自分がもしそういう立場に置かれたら、養父を見捨てて、自分の生活を守ることを優先するかもしれない・・・。 現代日本において現実に大きな問題としてあるのが、親の介護が原因となった貧困問題。 本作については、それを自虐風に小説化した、という印象があります。 文音の今は苦しくてやりきれないことばかり、最後の最後までと思わされたところで、文音に思わぬ安らぎが訪れます。 それは精一杯奮闘した文音に対する神様からの賜物でしょうか。 |