知念実希人
(ちねん・みきと)作品のページ


1978年沖縄県南城市生、東京育ち、東京慈恵会医科大学医学部医学科卒。日本内科学会認定医。2011年「レゾン・デートル」にて第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞、翌12年同作を改題した「誰がための刃 レゾンデートル」にて作家デビュー。15年「仮面病棟」にて啓文堂書店文庫大賞を受賞。

  


       

「死神と天使の円舞曲(ワルツ) ★★   


死神と天使の円舞曲

2022年05月
光文社

(1450円+税)



2022/09/26



amazon.co.jp

「優しい死神の飼い方」「黒猫の小夜曲」に続く、“死神”シリーズ第3弾。
ただし、私は本作が知念さん初読みです。

一言でいえば、<ミステリ&救済>ストーリィ。
探偵役が黒猫とゴールデンリトリバーの身体に宿った天使という設定ですから、謎解きと事件解決だけでなく、救済も果たすというのは当然の帰結でしょう。

第一章の
「黒猫と薔薇の折り紙」は、黒猫の姿=クロが主役。
首吊り自殺をしようとしていた
平間大河を留め、恋人だった柏木美穂が大河を裏切り、さらに死んだという事実の真相を突き止めようとします。
第二章の
「黄金の犬と天使の声」は、ゴールデンリトリバーの姿=レオが主役。柏木美穂とその娘=穂乃花の身に起きた出来事の謎を解き明かし、2人のために尽くします。
第三章の
「死神たちのダンス」は、クロとレオが協力して、行方不明となった穂乃花の救出に全力で当たります。
事件の背後にいた黒幕は何と・・・。

前2作を読んでないままの読書でしたが、特にハンデとなることもなく楽しめました。
ミステリだけでなく救済、という趣向が良いです。
それも天使を犬と猫の姿に変えるという設定の妙があってのことと思います。


プロローグ/1.黒猫と薔薇の折り紙/2.黄金の犬と天使の声/3.死神たちのダンス/エピローグ

           


  

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