秋川滝美作品のページ


2012年04月よりオンラインにて作品公開開始。同年10月「いい加減な夜食」にて出版デビュー。


1.ひとり旅日和

2.ひとり旅日和 縁結び! 

3.ひとり旅日和 運開き!

 


                   

1.
「ひとり旅日和 ★★


ひとり旅日和

2019年10月
角川書店

(1400円+税)

2021年10月
角川文庫



2019/11/26



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主人公の梶倉日和(ひより)は24歳、オフィス用事務機器・文房具を取扱う小宮山商店株式会社に入社して2年目。
元々人とのコミュニケーションが大の苦手で、就活戦線も敗北続き。大学指導教官の斡旋で、ようやく小宮山商店に入社できたという経緯。
入社して総務課に配属されたものの、ミスが多い、表情が陰気だと、係長の
仙川道広から度々会議室に呼び込まれては叱りつけられることの繰り返し。

いい加減自分でも嫌になるところですが、久しぶりに面談する機会が生じた社長の
小宮山正夫から、よくやっている、弱い者いじめへのストレス耐性が強いのかもと励まされます。
その際に小宮山から是非と勧められたのが“ひとり旅”。
4年先輩の同僚で旅行好きの
加賀麗佳からもアドバイスを貰い、日和は初めてのひとり旅へと乗り出します。

旅好きにとっては、とにかく楽しい。
旅初心者である日和と共に旅を共にする、という感覚のストーリィですが、初心者であろうが何であろうが旅とは楽しいもの。
そして、ひとり旅の経験を重ねて、徐々に自信を覚え、日和が成長していくという展開もやはり楽しい。
さらに、旅の過程で恋人といえるような男性と知り合えれば言うこと無いのですが、その点は読んでのお楽しみ。

※私も独身時代、毎月のように旅行していた時期がありますが、当時と比較するとホテル状況は格段に良くなりましたね。
日和、旅先にて一人で居酒屋に入り、お酒まで注文するようになりますが、私には無理だったなぁ。酒は弱いですし、刺身とか苦手で避けていましたし。

ひとり旅に関心あるが、まだひとり旅をしたことがないという読者に、手引書となるような一冊です。
なお、旅のお供には是非、文庫本を2、3冊とお勧めします。


1.熱海−茹で卵と干物定食/2.水郷佐原−蕎麦ととろとろ角煮/3.仙台−牛タンと立ち食い寿司/4.金沢−海鮮丼とハントンライス/5.福岡−博多ラーメンと鯛の兜煮

              

2.
「ひとり旅日和 縁結び! ★☆


ひとり旅日和 縁結び

2020年11月
角川書店

(1400円+税)



2021/02/06



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人見知りのOL=梶倉日和(本巻では25歳)が一人旅を通じて少しずつ成長していく姿を描きつつ、各地への旅行気分を読者に堪能させてくれる、ひとり旅日和”シリーズ第2弾

自称“人見知り女王”も一人旅を幾度か経験して今や“人見知り姫”程度には成長した、というのが主人公=日和の述懐です。
題名末尾の
「縁結び!」は、前回の旅で出会い憧れの男性となった吉永蓮斗(れんと)と自分は縁があるのだろうか?という、日和の願いを込めたもの。
さあ、本巻の旅先でまた、2人の出会いはあるのでしょうか。

日和に対して嫌味な直属上司=
仙川係長の冷たい態度、後輩社員で「総務課のアイドル」と呼ばれる霧島結菜への依怙贔屓は相変わらず。
それでも先輩社員かつ一人旅の助言役である
加賀麗佳は、いつも日和を励ましてくれますし、日和の仕事ぶりを正しく評価してくれる上司として斎木総務課長の存在も頼もしい。
なお、吉永蓮斗は、麗佳とその恋人である
間宮浩介と高校同級生以来の友人関係。

なお、函館は雪の中での旅、房総は日帰り旅行、大阪はたこ焼きを食べるための旅、出雲では初めてレンタカーを利用、姫路は麗佳に頼まれて。

本巻での日和の旅先は、私も独身時代に旅していろいろ思い入れのある処もあり、懐かしく感じます。
ただその分、些かダレる感じを持ったのは、私自身として残念なところ。
また、私はお酒を飲まないし、いろいろ好き嫌いもありましたから、日和のように現地の居酒屋等でお酒と郷土料理を楽しむ、などということは無かったですね〜。
私の嗜好以外に、時代の違いも大きいと思います。何しろ当時はスマホもなく、分厚い時刻表を小さめのバッグに入れて先へ先へと急ぐような旅でしたから。

本シリーズ、まだまだ続きそうです。


1.函館−ご当地バーガーとウニ丼/2.房総−メロンパンと城の名の酒/3.大阪−たこ焼きと肉吸い/4.出雲−出雲そばと鯛飯/5.姫路−えきそばとひねぽん

            

3.
「ひとり旅日和 運開き! ★☆


ひとり旅日和 運開き!

2021年11月
角川書店刊

(1500円+税)



2021/12/15



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ひとり旅日和”シリーズ第3弾

人見知り女王だった梶倉日和も、一人旅を重ねることによってそこは大きく成長してきたようですが、本巻においては旅における新鮮な感動、といったものが薄れてしまった観があるのが残念なところ。
また本巻での旅、“旅”というより“観光旅行”といった印象が強い所為があるかもしれません。
行った先でのレンタカー利用もその印象を高めています。

宇都宮:日帰りでの餃子賞味行。
和歌山:パンダの親子観覧整理券が抽選で当たり、パンダを見るために日和、和歌山へ。
奥入瀬秋田は連続篇。秋田で一人住まいしている叔母=加世の体調がすぐれないらしい。病院嫌いの叔母にきちんと診察を受けさせるという使命を負って日和、奥入瀬観光のついでにという名目を立てて、秋田県小坂町の叔母の元へ。
小坂町では日和、叔母の案内で、明治から続く有名な演芸場
<康楽館>の見物等々。
・最後は沖縄へ。台風に見舞われてバスツアーが中止となり、私が行けなくなった美ら海水族館にも日和は脚を伸ばします。

本巻は、新型コロナ感染下におけるストーリィ。
そのため日和、旅に出かけてよいやら迷うことも多く、吉永蓮斗(れんと)に相談したり、旅行についてアドバイスを貰ったり、土産に地元の銘酒を持ち帰ってきたりと、日和と蓮斗の関係が着実に進展しているように思えます。


1.宇都宮−餃子三昧/2.和歌山−マグロ丼とめはり寿司/3.奥入瀬−川魚と煎餅汁/4.秋田−アカシアの天ぷらそばときりたんぽ鍋/5.沖縄−沖縄そばと海ぶどう

        


   

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