ローレン・ターシス作品のページ


Lauren Tarshis スコラスティック社の児童向け文学誌“STORYWORKS”の編集者。「エマ・ジーン・ラザルス、木から落ちる」にて作家デビュー。コネティカット州に夫と4人の子供たちと暮らす。

 


 

●「エマ・ジーン・ラザルス、木から落ちる」● ★★
 
原題:"EMMA-JEAN LAZARUS Fell Out of a Tree"      訳:部谷真奈実

  

 
2007年発表

2008年09月
主婦の友社刊
(1600円+税)

  

2008/10/06

 

amazon.co.jp

エマ・ジーン・ラザルス、成績はオールAという成績優秀な女の子。数学者だった父親が事故で亡くなり、母親と下宿人のインド人=ヴィクトラム・アドワニとの3人暮らし。
そんなエマから見ると、同級生たちは毎日あれこれとバタバタ騒ぎを繰り返しているばかり。そんな理不尽で不合理なことは御免と、エマは同級生たちからちょっと距離を置いている。

そんなエマが、同級生コリーンがトイレで泣きじゃくっているのをみかけ、自分の優秀な頭脳を使って助けてあげようと行動に移したばかりに、思わぬ事態が。
エマの論理的な頭脳からは予想もできない展開が生じ、その結果なんとエマはコリーン家の庭にある木に登り、さらにそこから墜落してしまう、というストーリィ。

子供っぽい同級生たちを斜に眺め、常に冷静で頭脳明晰であるエマは、カッコイイと思える存在。
でもエマが繰り広げる、同級生のためという行動は、エッそんなことまでやってしまうのか?、いいんだろうか?、と驚いてしまうことばかり。
そんなエマは、本当に賢明な女の子と言えるのでしょうか。
そして、予想もしなかった事態にエマが巻き込まれ、彼女もまたバタバタ騒ぎの渦中に陥ったとき、ホッとする思いにかられるのはきっと私だけではない筈と思います。

変わり者の少女が巻き込まれた、いや巻き起こしたユーモラスな学園騒動記。
エマの行動ぶりも独創的で楽しめますが、やはり楽しいのはストーリィの温かさと、少女たちの友情物語という点でしょう。

     


   

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