R・J・パラシオ作品のページ


R.J.Palacio  米国の作家。長年、アートディレクター、デザイナー、編集者として多くの本を担当。2012年「ワンダー」にて作家デビュー。

 


             

「ワンダー」 ★★☆
 原題:"WONDER" 
    訳:中井はるの 


ワンダー

2012年発表

2015年07月
ほるぷ出版刊

(1500円+税)



2018/06/25



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以前から気になっていた作品ですが、結局、映画を観る方が先になってしまいました。

主人公の
オギー(オーガスト・プルマン)は10歳、極めて普通の男の子。ただし、顔以外は−−。

オギー、遺伝子の不運が組み合わせにより、顔に障害を持って生まれた男の子。顔の整形手術はこれまで27回も実施。
そうしたこともあって、これまで学校に通わず、ずっと自宅で母親に勉強を教わって来た。
そして今10歳、新学年が始まるとき、オギーが学校に通い始めるのには絶好のタイミングと母親が判断し、オギーは初めて学校に通うようになります。
しかし、同級生たち、そして生徒たちの反応は当然に予想されたようなこと。オギーにとっては過酷このうえない状況ですが、そんなオギーにもやがて友人ができ・・・・。でも、そんなに順調には行きません。

本作、過酷な運命を背負ったオギーの物語でありますが、同時にオギーと関わることになった生徒たちの物語でもあります。
オギーに忍耐と成長が求められたのと同様に、同級生たちにも勇気と成長が求められたのですから。

本作の素晴らしさは、オギーとオギーの家族、そしてオギーと関わりをもった同級生たち、彼ら全員の物語である、という処にあります。
両親、姉の
ヴィア、その親友ミランダ、オギーと最初に友人になったサマー、ジャック、彼ら皆が素晴らしい。
子供って残酷なものです。でもそれと同時に、飛躍的に成長を遂げる存在でもあります。
オギーの存在によって皆が大きく変わる、それはオギーの勇気がもたらしたもの、と言って良いのでしょう。
 皆と一緒に、オギーに拍手!


1.August/2.Via/3.Summer/4.Jack/5.Justin/6.August/7.Miranda/8.August

※映画化 → 「ワンダー 君は太陽    

    


    

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