チャールズ・ラム作品のページ


Charles Lamb 1775〜1834 英国ロンドン生。1807年姉メアリとの共著により出版された「シェイクスピア物語」にて有名。1792〜1825年ロンドンの東インド会社・経理部に勤務。1796年以降、精神を病んだ姉メアリの保護者となり、生涯独身を通した。代表的な作品は、20〜25年にわたり「ロンドン・マガジン」に“エリア”のペンネームで寄稿したエッセイであり、後に「エリア随筆(前編)」(1823)と「エリア随筆(後編)」(1833)としてまとめられ、刊行された。

  


  

  

●「エリア随筆」●  ★★★




1978年11月
八潮出版社刊
(1300円+税)


1982/03/04
1987/01/06

「シェイクスピア物語」の著者として有名なラム姉弟の、弟チャールズ・ラムの著書。
冷たいくらいの美しさが感じられるエッセイ集です。

祖父から精神病の遺伝を受けているかどうかを畏れ、実際に姉メアリが時折精神異常をきたしていたという、チャールズ・ラム。その為か、彼は生涯を独身で通しています。
寂しい人生を送った人物だと言えるでしょう。
しかし、彼は、その寂しさを冷静かつ客観的な眼で見ようとします。俗世間に染まらず、透き通るようなエリアの純真さ。その心境の美しさには、とても胸が打たれます。寂しさ故の美しさ、そうした印象を受けるからです。
印象に深く残るのは
「夢の中の子供」「退職者」。思い返すたび、心にしみわたるような思いを 感じます。

人間の二種類/除夜/不完全な共感/近代の女性崇拝/夢の中の子供たち−ある幻想/遠方の友へ/夫婦者の態度について−ある独身者の不平/退職者/結婚式/酔っぱらいの告白/俗説−悪銭身につかずということ

  

副読本 福原麟太郎チャールズ・ラム傳 1982  福武書店 1983/01/18

  


 

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