エレイン・ローブル・カニグズバーグ作品のページ


E.L.Konigsburg  1930-2013年。米国の児童文学作家。67年作家デビュー。68年「クローディアの秘密」、97年「ティーパーティーの謎」にて、二度にわたってニューベーリー賞を受賞。

 


             

「クローディアの秘密」 ★★☆       
 原題:"From the Mixed-up Files of Mrs.Basil E.Frankweiler" 
 訳:松永ふみ子 


クローディアの秘密

1967年発表

1969年
岩波書店

1975年03月
岩波少年文庫

新版第7刷
(680円+税)



2025/12/30



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濱野京子「読書会を魔女といっしょにやってみたらにて取り上げられていた作品。
有名な作品らしいのですが、全く知らなかった作品でもあるので読んでみました。

主人公の
クローディアは、4人姉弟の長女。一番上だからといろいろ用事を押し付けられているのは不公平だと不満。
小遣いを貯めている2番目の
弟ジェイミーを口説き落として、二人で家出を決行します。
といって当てもなく家を出るわけではありません。そこは綿密に計画を立てて行動するのがモットーのクローディア、潜伏先は何とニューヨーク市の
メトロポリタン美術館

まんまと閉館後も館内に残った二人、展示品のベッドで寝たり、噴水で身体を洗ったりと、きちんとした生活リズムを維持しようとするところが愉快。
また、お金を使うことにあまり頓着しないクローディアと、節約に努めようとするジェイミーという、性格が対照的な二人のやりとりも楽しいことしきりです。
団体客に紛れ込んで云々・・・という辺りは、中々に策士。

そのメトロポリタン美術館に入場者が多いな、と思ったら、ミケランジェロの作かもしれないという天使像が新たに展示されたため。
本当にミケランジェロ作なのか調べようと、二人が奮闘する様子もまた魅力。

子どもの冒険心は魅力がいっぱい、と感じることしきりです。
終盤、天使像の出所である富豪の未亡人、
バジル・E・フランクワイヤー夫人と二人の対決、これは面白いなぁ。
本書を読めて、満足です。


フランクワイラー夫人の手紙/1.秘密の糸口/2.家出にいく/3.美術館での第一夜/4.天使の像/5.噴水で/6.ミケランジェロの印/7.同級生が・・・/8.なぞを追って/9.クローディアの秘密/10.家出のおわり

    


    

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