マット・ヘイグ作品のページ


Matt Haig 1975年英国シェフィールド生。大学卒業後マーケティング会社経営等様々な職を経たのちに作家業に専念。フィクション、ノンフィクションを問わず多岐にわたるジャンルの作品を執筆し、その多くがベストセラーに。
“Shadow Forest”にてネスレ子どもの本賞金賞を受賞し、3作品がカーネギー賞候補作。“The Midnigth Library”は世界43ヶ国で刊行され全英1位を獲得。
2020年Goodreads Choice Awardフィクション部門を受賞。

 


                                   

「ミッドナイト・ライブラリー」 ★★   
 
原題:"The Midnight Library"           訳:浅倉卓弥


ミッドナイト・ライブラリー

2020年発表

2022年02月
ハーパーコリンズ・ジャパン
(1980円+税)



2022/03/11



amazon.co.jp

世界的ベストセラー小説、という紹介文を見て読んでみました。また、「図書館」という言葉が出てくれば、それだけでも惹かれてしまいますし。

主人公は
ノーラ・シード、35歳。自分の人生に失望し薬を飲んでの自殺を決行。
ところが目覚めてみると目の前には図書館。そこには限りない書架が並んでいる。
呆然とするノーラの前に現れたのは、学校時代に世話になった司書の
エルム夫人?
彼女曰く、ここは生と死の狭間にある図書館なのだという。
そして、人生は数百万という単位の決断で出来ていて、この書架に並ぶ本は全て、それぞれの決断に応じて生じたノーラ自身の異なる人生なのだという。
そこからノーラは、本を次々と選び、幾つものあったかもしれない人生を体験することになります。しかし、その結果は・・・。

あの時ああしておけば良かったと後悔したこと、もう数えきれない程あります。とくに若い頃については。でもそれが今、良い結果に繋がったかどうかは分からぬこと。
それはノーラも同じだったようで、異なる人生、良いこともあれば悪いこともある、といった繰り返し。
ノーラ、幾つもの異なる人生を繰り返し体験し、そうしたことを学んでいきます。そして・・・。

まぁ、結末は言わずもがなでしょう。
でもそれは、ノーラだけでなく、私たち自身についても言えることですし、また学べること。
最後はすっきりした結末。終わりよければすべてよし、という処です。
 
雨をめぐる会話/夜の来客/弦理論/扉/ブラックホールになる方法/反物質/0時00分00秒/司書/真夜中の図書館/動く書架/後悔の書/重すぎる後悔/すべての人生が今始まる/三つの蹉跌亭/チェス盤/学習する唯一の道は生きること/炎/水槽/成功した人生/ペパーミントティー/私たちの人生という樹/システムエラー/スヴァールバル諸島/ヒューゴ・ルフェーブル/輪を描いて歩く/どこでもない場所でのとんでもない危機/心底必要な時に図書館が見つけられない焦燥/孤島/永久凍土/ロングイェールビーンの一夜/期待/生と死と波動関数/何か起こるならその場にいたい/神とほかの司書たち/名声/天の河/荒々しくも自由/ライアン・ベイリー/蜂蜜ケーキを載せた銀のトレイ/インタビューは暴き出す/愛と痛みと/等距離/ほかの誰かの夢/穏やかな人生/ここには犬がいるのにどうしてほかの人生なんて欲しがる?/ディランとのディナー/ラスト・チャンス・サルーン/ブエナビスタぶどう園/ノーラ・シードの数々の人生/図書館で迷子/貝殻の中の真珠/ゲーム/完璧な人生/精神と宇宙とのいっそう強い繋がりを追い求めていたい/ハマースミス/三輪車/もうこちらにはいらしゃいません/警察沙汰/新しい見方/花は水をもらっている/着地点なし/絶対に諦めてはいけませんよ、ノーラ・シード!/目覚め/絶望の向こう側/生きること対理解すること/火山/どんな結末が待っているか

     


        

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