2022年 仙人の会12月例会(オンライン開催)


日時:12月18日(日) 14:00~16:30

ZoomミーティングURL:幹事までお問い合わせください

発表者:劉師(神奈川大学)

発表題目
横浜における媽祖信仰の研究―横浜媽祖廟を中心に  

発表要旨
 媽祖は中国北宋(960―1127)時代の実在の人物だと言われている。巫のような能力を持ち、死後航海の守護神として信仰された。宋・元・明・清の時代を経て、媽祖信仰は中国大陸だけではなく、朝鮮半島、台湾、日本ないし東南アジアにも伝播し信仰者を集めた。横浜の媽祖信仰は明治時代に遡られるが、媽祖廟は新しくできた。
 横浜媽祖廟の成立は、住宅マンションの建設への反対がきっかけであった。廟は横浜の華僑が主体に、中国大陸、台湾の協力で2006年にできた。廟内の大きい媽祖像が福建で制作され、祭祀が台南大天后宮に学んだ。媽祖廟の祭神は媽祖の他に、臨水夫人、註生娘娘、文昌帝君、月下老人、福徳正神がある。祭祀は年に三回行われており、それぞれ媽祖祭、媽祖誕、昇天の日である。媽祖祭は廟内の祭祀及び外の媽祖巡行を含む。媽祖誕、昇天の日は廟内の祭祀だけである。
 横浜における媽祖信仰の特徴である。人々の日常生活に密接につながっている。商業との繋がりはとりわけはっきりしている。女性に対する配慮も深い。道教の要素を多く導入し、道教的性質が強調されている。また、華人・華僑が継承する中華文化の一環、自分たちのオリジナリティを表現するものであると同時に、横浜社会の異文化摂取の一部分にも属する。


※懇親会は予定しておりません。