日時:10月22日(土) 15:00~17:30
場所:法政大学市ヶ谷キャンパス大内山校舎 Y501教室
JR中央線・地下鉄南北線飯田橋あるいは市ヶ谷駅または
JR中央線・地下鉄南北線/有楽町線/東西線飯田橋駅下車、徒歩約10分
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発表者:小河久志(亜細亜大学国際関係学部)
発表題目
イスラーム基礎教育に見るダッワの動態-タイ南部の事例-
発表要旨
他の東南アジア諸国同様、ムスリムが少数派のタイにおいてもモスク付設の宗教教室やイスラーム寄宿塾などイスラームの基礎知識や専門知識を教える教育機関が古くから存在した。これらの教育機関は、長らく個人の信仰や地域社会のイスラームに影響を与えてきた。タイ語でダッワと呼ばれるイスラーム復興運動は、こうした既存のイスラーム教育機関のあり様を変える大きなファクターとなった。タイでは1979年のイラン・イスラーム革命以降、数多くのダッワが都市部を中心に誕生した。そのなかには、自らが正しいと見なすイスラームを広める過程で、既存のイスラーム教育機関と連携したり、対立したりするものがあったのである。
東南アジアにおけるイスラーム教育機関とダッワの関係を扱った研究を概観すると、ポンドックをはじめとするイスラーム高等教育機関を主たる研究対象としていることや、イスラーム教育機関とダッワの関係を一面的、静態的に捉える傾向にあることが分かる。そのことは既存の研究が、イスラーム教育機関とダッワの関係が内的・外的諸力の影響を受けながら変化する側面や、イスラーム基礎教育機関とダッワの関係を看過してきたことを示している。
本発表は、タイ南部のムスリム・コミュニティにある複数のイスラーム基礎教育機関を事例に、それらとダッワの錯綜した関係を長期的な視点から把握、分析することを目的とする。これにより、コミュニティにおけるダッワの動態を明らかにしたい。
当日はレジュメを配布いたしません。
研究会後の会食は有志のみで行います。