日時:6月15日(土) 14:00~18:00
場所:東京学芸大学 飯島記念同窓会館(二十周年記念会館) 1階第三会議室
JR 武蔵小金井駅・JR国分寺駅・西武新宿線小平駅よりバス
東京学芸大学の正門を入ってすぐ左にある2階建ての建物です。茂みの奥にあります。正門わきと言って良い場所です。目印としては正門右側の守衛所から見て真向かいです。
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発表者:山岸哲也(首都大学東京大学院 博士後期課程)
発表題目
シンクレティズムと共存―インド・シッキム州における人類学的調査の展望(仮)
発表要旨
本発表は、発表者によるシンクレティズムを再考した修士論文を下敷きとして、インド・シッキム州における人類学的調査の展望について議論することを目的とする。
筆者は修士論文において、これまでのシンクレティズムを再考した。シンクレティズムに関する議論を追うことでその批判と問題点を整理し、「民俗宗教において大宗教から見て矛盾する宗教実践が、両者の力の差が存在するなかで、異質なまま共存している状況およびその共存を可能にしている考え方」という新しいシンクレティズムの概念を提起した。このような議論をもとに、インド・シッキム州におけるシンクレティックな民俗宗教について、民族誌的記述をもとに考察を進めた。シッキムの民俗宗教において異質とされる宗教が共存可能になっているのは、大宗教にとっての不整合が民俗宗教では当然のこととして肯定的に捉えられているという「ちぐはぐさの肯定」という側面と、他のトライブの治療儀礼を、その異質性をそのままに、つまり自分たちによる意味づけ抜きに繋げているような実践である「斜線的なやり方」によるものだと結論付けた。
発表者は、このような修論における議論をもとに、「宗教と共存の相互創発」という視点で現地調査を進めようと考えている。シッキム州では、異なる宗教を信仰している人々が、大きく争うことなく共存している。このような現地の状況と発表者の修士論文での議論を結び付けることで、宗教と共存というテーマに関する人類学的研究についてどのような展望が考えられるのだろうか。本発表では、筆者による現地調査の展望について議論を深めることを目的とする。
※当日は資料・お茶代として200円いただきます。
(例会終了後には、会場近くで懇親会を開催いたします。)