2014年 仙人の会7月例会


日時:7月19日(土)  14:00〜18:00

場所:亜細亜大学総合研究棟(6号館)2階第8会議室
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※会場がこれまでと異なっていますので、ご注意ください。

発表者:市原 慎太郎氏(明治大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程)

発表題目
 劉錫玄『黔南十集』と「奢安の乱」における貴陽城包囲―明末・貴州省に発生したイ族の反乱をめぐって―

要旨
 「奢安の乱」は、明末天啓・崇禎年間に四川・貴州・雲南の各省を戦乱に巻き込んだが、反乱の中心となったのはイ族の土司、永寧宣撫司宣撫使奢崇明と貴州宣慰司同知安邦彦であり、明朝に対する先住民反乱の性質を備えていた。
 一地方官である劉錫玄は、貴州提学僉事として赴任中の天啓2年2月から12月にかけ、安邦彦による貴州省城包囲に巻き込まれた。省城解放後の天啓3年夏、彼はその籠城戦の最中に作成した行政文書・日記・随筆などをとりまとめ、『黔南十集』として上梓した。この『黔南十集』は下級衙門宛の文書を多数収録し、同時に本人が克明な日記を残したことにより、当時の社会状況・籠城戦時の対応等の詳細を知る上で貴重な史料となっている。ただ、本書は出版の性急さなどの要因により複雑で利用しにくいものとなっている。そのため、過去の明代貴州省を対象とした研究中において何度か引用されてきたものの、必ずしも理解し尽くされたとはいえない。
 本報告では、この『黔南十集』の記述を手がかりとして「奢安の乱」の貴州省城周辺における経過を再構成し、反乱の原因・明朝の対応・動乱の影響などについて検討する。

※当日は資料・お茶代として200円いただきます。
(例会終了後には、会場近くで懇親会を予定しております。)