2013年 仙人の会11月例会


日時:11月9日(土)  14:00〜18:00

場所:法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー5階、0504教室
 現地へのアクセスについては、こちらをご覧ください。
   交通アクセス(市ケ谷)(Copyright (c) Hosei University)
※いつもの例会会場とは異なりますので、ご注意ください。

発表者:高 塔娜氏(早稲田大学文学研究科 博士後期課程)

発表題目
 内モンゴルの多元的医療体系への考察

要旨
本発表は内モンゴルを対象地域にし、多元的医療体系を考察したものである。近代医療が世界中に広がることによって、今日ほとんどの地域は近代医療と現地固有の伝統医療体系が混在する状態になった。医療政策は地域によって異なり、伝統医療のあり方の多様性が見られている。中国の場合は、政府は伝統医療を正規な医療として認められているため、近代医療と伝統医療は行政的に平等な関係を用いる。近代医療が伝統医療にもたらした影響は大きいことは言うまでもない。伝統医療が行政的に守られても、実際のところ、近代医療は医療体系に優勢的位置におかれている。内モンゴルの場合、状況はより複雑で、正規なる伝統医療は伝統中国医療以外、伝統モンゴル医療も含まれている。それ以外、民間に民俗学医療としてシャーマニズムも散在している。こうした複数な医療体系が内モンゴルの多元的医療を構成している。医療人類学は長い間多元的医療体系に着目し、その関係性を論じてきた。その多くは、近代医療対伝統医療という二項対立的考え方である。本発表は、こうした先行研究をふまえながら、内モンゴルの医療体系の関係性を見ていく。そして、多元的医療体系に対して、伝統医療どうしの関係性を考察することで、多元的医療体系という研究テーマに新たな視点を提供することを試みる。

※当日は資料・お茶代として200円いただきます。
(例会終了後には、会場近くで懇親会を予定しております。)