日時:1月13日(日) 14:00〜18:00
場所:武蔵大学 江古田キャンパス 8号館8階88-I教室
(日曜のため8号館入口のガラス・ドアを手で開け、エレベーターで8階までお越し下さい)
※例会会場がいつもと異なりますのでご注意ください。
西武池袋線 江古田駅 徒歩約6分
地下鉄有楽町線・副都心線 新桜台駅 徒歩約5分
地下鉄大江戸線 新江古田駅 徒歩約7分
現地へのアクセスについては、こちらをご覧ください。
交通案内(Copyright (c) Musashi University)
発表者:塚原 伸治氏(日本学術振興会特別研究員PD/東京大学東洋文化研究所)
発表題目
企業経営における家と社会的拘束性―「老舗の伝統」をめぐる民俗学―
要旨
発表者は、日本の地方都市における中小零細企業家たちの経営実践と、それを
とりまく地域的・社会的状況をもとに、企業経営を社会/文化論として理解する
ことを試みてきた。本発表で特に着目するのは、企業経営における伝統志向であ
る。発表では、老舗の家業の世代間継承や歴史の創出などを事例として、経営に
おける「伝統」を多角的に検討することを目指す。
世界経済の重要な担い手となることに成功した日本企業の多くが、伝統的でローカ
ルなものを温存しつつ(あるいはそれを活用することで)発展を遂げたことは、合理
的経営の常識を覆したという点で、これまでも注目されてきた。このような事情がも
たらした驚きのインパクトは、アカデミックな世界にとどまらず、世間の注目をも集
めてきたといえよう。企業の規模にかかわらず、現代においてもなお企業経営におけ
る伝統志向は強い。経営学における組織シンボリズム論にみられるように、伝統の
活用には対企業内的にも対外的にも一定の意義はあって、企業構成員の統率や信用の
獲得の面で、有用であることが多いのは明らかである。そのような効果を目指して、
企業は伝統を「戦略的」に「活用」しようとしてきたのだと理解することも可能であ
る。
しかし、伝統の戦略的活用に着目しすぎることがもたらす問題として、企業が
「伝統」をまとうことの困難を見落としてしまいがちであることがあげられる。
本発表は、その伝統志向が企業の意志によるものというよりはむしろ、社会との
相互交渉とせめぎ合いのもとで立ち現れるようなものであることを重視したい。
そのような視点にたつことで、必ずしも意のままにならないものとしての「伝
統」、あるいは伝統がもつ社会的な拘束性について理解することができるだろ
う。
本発表で取り上げるのは、福岡県柳川市A地区における家業経営的な中小企業
の近現代における以下の具体的実践と、それによってもたらされる結果である。
@積極的な養子相続、A物語としての歴史語りの実践、B老舗戦略のもたらす困
難。
このような具体的事例をもとに如上の問いに取り組むのが、本発表の課題であ
る。
※当日は資料・お茶代として200円いただきます。
(なお、例会終了後には、会場近くで懇親会を予定しております。)
本会では発表希望者を募集しております。
発表者には懇親会費無料の特典つき。
発表希望または例会についての問い合わせは幹事までお願いします。
sennin.no.kai@gmail.com(←@を半角にしてください)
なお、メーリングリストで送られてきたメッセージにそのまま返信しますと、
会員全員に配信されてしまいますのでご注意ください。