日時:10月7日(日) 14:00〜18:00
場所:法政大学市ヶ谷キャンパス 新見付校舎A305教室
※例会会場がいつもと異なっておりますのでご注意下さい。
最寄り駅:市ヶ谷駅(JR、地下鉄有楽町線、地下鉄南北線)
現地へのアクセスについては、こちらをご覧ください。
交通アクセス(市ケ谷)(Copyright (c) Hosei University)
発表者:上杉 健志氏(McGill大学)
発表題目
毒を「知らない」?―アルーイ盆地の枯葉剤と因果関係のお話
要旨
ベトナム中部フエ省の山間部にあるアルーイ盆地は、アメリカ戦争(ベトナム戦争)において大量の枯葉剤が散布された地域して
知られている。1990年代後半にカナダのハットフィールド社による環境アセスメントで、枯葉剤に含まれたダイオキシンがいまだに
生態系を汚染していることが判明し、全国でも有名になったのである。ダイオキシンといえば、ベトちゃん・ドクちゃんの話で知ら
れているように胎児の奇形やがんなどの原因になるという猛毒である。ある統計によるとアルーイの人口の8分の1は何かしらの形で
枯葉剤の被害を受けているとも言われている。それなのに現地の人たちは戦後30年の間、科学者がやってくるまで、枯葉剤の人体へ
の被害について「知らなかった」という。なぜ?枯葉剤の被害は科学的知識なしには「知る」ことはできないのだろうか?
今回の発表ではとりあえず彼らの「知らなかった」という主張を素直に受け入れ(異論の余地あり)、彼らの毒のエピステモロジー
と戦後の彼らの生活・倫理感の変化などを通してこの無知の原因を以下のテーマにそって追究してみる。
1) 戦争による伝統社会・生活の途絶
2) アルーイ少数民族の毒の概念と悪霊の関係
3) 出産の問題と秘密
ダイオキシンと様々な病気との因果関係は一般に考えられているほど現象学的に明らかではない。もし時間に余裕があれば最後に、
ダイオキシンの科学的知識の特殊性についても言及したい。
※当日は資料・お茶代として200円いただきます。
(なお、例会終了後には、会場近くで懇親会を予定しております。)
※11月例会は、佐藤若菜さん(京都大学大学院博士課程)に、中国貴州省のミャオ族女性と刺繍技術に関する研究のご報告をしていただく予定です。
本会では発表希望者を募集しております。
発表者には懇親会費無料の特典つき。
発表希望または例会についての問い合わせは幹事までお願いします。
sennin.no.kai@gmail.com(←@を半角にしてください)
なお、メーリングリストで送られてきたメッセージにそのまま返信しますと、
会員全員に配信されてしまいますのでご注意ください。