日時:3月25日(日) 13:30〜17:30
場所:法政大学 ボアソナードタワー7階 0705室
JR中央線・地下鉄南北線/都営新宿線市ヶ谷駅
またはJR中央線・地下鉄南北線/有楽町線/東西線飯田橋駅下車
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交通アクセス(市ケ谷)(Copyright (c) Hosei University)
発表者:田中 孝枝氏(東京大学大学院総合文化研究科 博士課程)
発表題目
サービスを商品化するにあたって―中国広東省の日系旅行会社の職場からみる「合理性」
要旨
本発表は、中国広東省広州市の日系旅行会社J社の職場を事例として、サービスが商品化される過程を考察することで、それに関わる種々組織やそこで働く人々が、日常的業務の中で導き出す「合理性」に対する文化人類学的考察を行うことを目的とする。
企業を対象とした文化人類学的研究には、大きく@企業の制度や規則に着目し、機能主義的に組織を理解するもの、A職場の人間関係に着目し、組織と人の関係の多様性を描くものの2つのアプローチがあるが、それぞれ<1>過度な文化論的解釈で、多様性を等閑視する傾向、<2>多様性の強調に重点を置き、人と組織の関係の個別具体的な記述に終始する傾向があることを指摘できる。ここでは双方のアプローチの結節点として、商品が生産されるプロセスに着目することで、企業と職場の文化を理解することを試みる。
本発表では、まず、中国において外資系企業であるJ社をとりまく制度的背景を整理すると同時に、J社の成り立ちや規則・制度などから形式的枠組みを通した組織の考察を行う。次に、日本人駐在社員、日本人現地採用社員、中国人社員など異なる雇用制度のもとにある社員たちの、職場での人間関係や日常的業務に焦点を当て、サービスを商品化するにあたってたちあらわれる「問題」と、それぞれの状況において導き出される「合理性」を示す。そして、日常的業務において衝突する複数の価値(たとえば、公と私やモラル、効率など)がそれぞれの状況において、誰によっていかに整序され、意思決定がなされるかを考察し、価値の差異によって生じる合理性の差異とその枠組みを議論したい。
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