日時:11月27日(土) 14:00〜18:00
場所:早稲田大学戸山キャンパス36号館3811教室
※JR山手線・西武新宿線高田馬場駅より都営バス「早大正門行き」、馬場下町下車 徒歩2分
※地下鉄東西線早稲田駅下車 徒歩5分
※都電荒川線早稲田駅 徒歩9分
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発表者1:高倉 健一氏(神奈川大学大学院博士後期課程)
発表題目
世界遺産の保護・活用と住民の生活
要旨
1972年のユネスコ総会ではじめて世界遺産登録リストが作成さ
れて以降、世界遺産を観光資源とした観光開発や世界遺産登録
を獲得するための運動が世界各地で行なわれている。また建築
学や遺産保存学等、世界遺産を研究対象とした研究も多く行わ
れている。
世界遺産には住民が現在も生活する建物や街が世界遺産に登録
されている地域があり、そこでの観光開発や登録物件の保護活
動は住民生活に直接影響を及ぼしている。またその登録物件の
形成や継承にはそこに暮らしてきた人々の生活文化が深く関わ
っているが、世界遺産の登録対象には含まれていないため、観
光開発や登録物件の保護のほうが優先されて生活環境が悪化し
てしまい、住民が外部に流出するなどして生活文化が失われつ
つある問題が起きている。住民の生活文化は世界遺産登録物件
が持つ文化的価値の本質をなすものであり、世界遺産の保護は
生活文化の保護も含めたものであるべきと考えている。
本発表では、中国雲南省の麗江古城での調査事例を中心に上記
の現状を紹介し、住民が生活する世界遺産の保護と持続的活用
には住民の意思の尊重と生活の保護が必要という考えについて
論じる。
発表者2:阿部 朋恒氏(首都大学東京大学院博士後期課程)
発表題目
環境開発におけるチベット文化の語られ方
要旨
過放牧を引き起こす収奪型の生業様式を停止せしめ、牧草の再
生産力に見合った適正な資源利用を推進する。中国領内のチベ
ット人居住地域において目下進展中の環境開発を貫くこのよう
な観点は、長きにわたってその土地に暮らしてきた彼らの持続
可能な環境利用の方法を称揚する人々のそれとは対立的なもの
のように映る。これら二つの観点は、共に資源を生みだす器と
して自然を計量する「科学的」方法に大きく依拠しながらも、
異なる主張を生み出しているのである。本発表では、両者が相
応に分有しているように見える正当性を検討することから、自
然を量る生態学的方法の扱いの難しさと、チベット人による自
己表象までもがそれを動員せずして成り立ちえないことの意味
を考える。
※例会終了後には、会場近くで懇親会を予定しております。
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発表者には懇親会費無料の特典つき。
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