日時:7月31日(土) 13:00〜17:00
場所:早稲田大学戸山キャンパス39号館第四会議室
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※地下鉄東西線早稲田駅下車 徒歩5分
※都電荒川線早稲田駅 徒歩9分
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発表者:川口幸大氏(東北大学・准教授)
発表題目
祭祀空間としての家屋の変遷
要旨
本発表では、中国東南部に位置する珠江デルタ地域をフィールドとし、祭祀空間としての家屋の変遷を、村落社会の変化のプロセスと関連づけて議論してゆきたい。
タイムスパンを清朝末期の19世紀後半から今日までのおおよそ100年あまりにとったとき、調査地において家屋の形態が変わる、すなわち多くの人が新しいスタイルの家屋を建てる契機は、総じて1970年代のなかばと1990年代末の2度あった。その二つの時期には、村落社会の状況が大きく変動し、またいずれも新しい形態の家屋が建てられた。しかしその一方で、家屋に祀られる祭祀対象の種類、祀られ方、そして実際の祭祀のされ方については、清代からの構造的な持続性が見いだせる。すなわち門官、天官、祭壇の神・祖先・土地公、竈神といった家屋内の祭祀対象の基本的な構成に変化はないし、それらが所定の位置、つまり門官は入り口を入ったすぐの壁に、竈神は厨房に、可動式になった祭壇にあっても神が祖先に対して上あるいは右に、中庭がなくなっても天官は頭上が開けた場所に、それぞれ祀られているという点にも変わりはない。そして祭祀のされ方についてみても、人々は神・鬼・祖先を、時期・供物・祭祀用品の点で明確に区別してしかるべき祭祀をおこなっている。
このように、本発表で明らかになるのは、政治経済的な状況や人々のライフスタイルの変化に連動して家屋の構造は大きく変化している一方で、祭祀空間としての家屋の構造には明確な持続性が見出せるということである。
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