2010年 仙人の会3月例会発表


発表者:何 義麟氏(台北教育大学)

日時:3月28日(日) 14:00〜18:00

場所:慶応大学三田キャンパス 第一校舎3階131B
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発表題目
 戦後在日台湾人の政治活動とそのアイデンティティ

要旨
 1945年8月15日以降、日本敗戦の情報が各地へ伝えられると、在日台湾人はいち早く 同郷会や学生会などの互助団体を結成し、自分たちの権益を守るための政治運動を展開 した。
 1948年10月、台湾出身の華僑総会幹部をリーダーとする華僑民主促進会が結成され、 共産党による「祖国解放戦争」を支持する綱領を掲げ、反国民党政府の政治運動を展開 した。これをきっかけにして、国民党 政府は華僑団体の役員選挙や組織運動への介入を開始した。
 1950年代以降、中共と国府の対立により、日本の華僑社会は激しく揺り動かされ、そ の組織系統も台湾系と大陸系の二つに分かれ、その影響は今日に至った。また、在日台 湾人のアイデンティティや身分登録も曖昧な状態に置かれるようになった。彼らを「日 本国民」と見立てて文化的な同化が求められる場合には、その方向性は分散化する。同 一化に屈する「日本国民」としてのアイデンティティ、逆に反発する在日中国人として のアイデンティティもしくは「台湾人」としてのアイデンティティが形成された。総じ て言えば、在日台湾人の政治性は三つに分かれることになった。すなわち、共産党政府 支持か国民党政府支持か、あるいは台湾独立の主張かの三つである。
 本報告は在日台湾人の自分史を手がかりとして、戦後の在日台湾人の政治運動の一端 を明らかにし、特に台湾出身者のアイデンティティ問題に焦点を絞って検討していく。

※例会終了後には、会場近くで懇親会を予定しております。

 本会では来年度以降の発表希望者を募集しております。
 発表者には懇親会費無料の特典つき。
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