発表者:玉置充子氏(拓殖大学海外事情研究所華僑研究センター客員研究員・慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程)
日時:11月24日(祝) 14:00〜18:00ごろ
場所:法政大学92年館(大学院棟)6階601号室
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発表題目
潮州系慈善団体の発展とネットワーク ―タイとスワトウ市の事例から
要旨
本発表は、清末に中国の潮州地方(広東省東南部)で生まれた、民間信仰と結びついた民間慈善団体の発展とネットワーク形成について考察
するものである。
近代中国において、地域エリートが主導する民間社団である善会・善堂が地域社会の公共的な事業を担ってきたことは先行研究で明らかに
されてきた。善会・善堂研究は、中国における公共領域に関する議論にもつながるものだが、潮州地方の善堂は、@ローカルな「大峰祖師」
信仰と結びついて発展した、A潮州人の移住とともに20世紀初頭に東南アジアにも伝播し、国内外でネットワークを形成した、B中国の改革
解放政策後に海外華人支援を受けて復興し、戦前のネットワークが復活している、C東南アジア(特に潮州出身者の多いタイ)においてホスト
社会全体を対象とした民間慈善団体として発展している、等の諸点において興味深い事例と言えよう。
タイの華人社会では、バンコクの華僑報徳善堂に代表される潮州系善堂に、同じく潮州に起源を持つ徳教会、明聯、蓬莱逍閣を合わせて「四大
慈善団体」と呼んでいる。これらの団体は、広範な慈善活動を通して「ホスト社会への貢献」と「エスニックな文化的アイデンティティの維持」
の両立を果たすことに成功しており、移民社会に適応した展開を見せる。本発表では、筆者が調査している潮州の中心都市・スワトウ(汕頭)市
とタイの華人社会における事例を通して、潮州系の慈善団体がこうした独自の発展を遂げるに至った背景について検討したい。
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