発表者:稲澤努氏(東北大学大学院環境科学研究科博士後期課程)
日時:6月22日(日) 14:00〜18:00ごろ
場所:法政大学92年館(大学院棟)6階601号室
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発表題目
「水上居民」の現在―廟での祭祀活動の分析を通して
要旨
近年、中国南部沿海において、廟などが盛んに復興されている。発表者が調査を行った広東省汕尾においても、
陸上がりした水上居民及びその子孫が住む「漁村」を含め、各コミュニティは各廟を中心として様々な活動を行っており、
各コミュニティ間の交流もしばしば廟の理事会を通して行われる。
かつて「蜑民」などと表記され、陸地の人々からしばしば他者として扱われた華南の「水上居民」は、中華人民共和国成立
以後漢族であるとされた。また、そのほとんどが陸地に居住するようになった。発表者が調査を行った広東省汕尾においても、
現在基本的に陸上がりは完了しており、生業上も、漁業だけではなく、様々な職業に従事している。
そんな彼らの現在の姿からは「水上居民」「蜑民」という存在は過去のものとなったかの印象も受けるが、はたしてそうなので
あろうか。本発表は、現代中国で廟の復興、あるいは新生の有り様の一事例を報告することに加え、その事例の分析から「漁村」
とその他の人々の関わりあいのあり方を探ることを目指す。
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