2008年 仙人の会2月例会発表


発表者:娜荷芽(ナヒヤ)氏(東京大学総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程)

日時:2月10日(月) 14:00〜18:00ごろ

場所:東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム3
キャンパスマップ
※注意:当日は入り口が施錠されておりますので、 お越しの際は恐れ入りますが
 入り口脇のインタホンで内線48726までお知らせください。

交通:京王井の頭線 駒場東大前駅下車
(JR山手線渋谷駅/小田急線下北沢駅/京王線明大前駅より京王井の頭線乗換)
交通アクセス

発表題目
 「満洲国におけるモンゴル人中等教育―国立興安学院を中心に―」

要旨
 現在の内モンゴル自治区の東部とフルンボイルが満洲国の一部であったため、満洲国におけるモンゴル人の生活空間は約42万平方キロメートルであった。それは満洲国全土の3分の1以上に及ぶ広さであった。
 満洲国が成立した1932年の時点で、モンゴル人の人口は約80万人であったが、その時代におけるモンゴル人の学校教育の実態には不明なことが多い。国立興安学院は、現地で人材を養成するために創られた満洲国におけるはじめてのモンゴル人中等学校であり、1935年9月1日に開校された。 学校の運営上は特色があり、モンゴル人向けのカリキュラムが設けられていた。そこで報告者は、これまでに使用されたことのなかった文献資料や現地で行った調査に基づき、国立興安学院の学習実態および興安学院の社会活動などについて分析し、これを報告する。
 本報告の目的は、国立興安学院におけるモンゴル人中等教育の特徴を明らかにすることによって、20世紀30、40年代におけるモンゴル人中等教育方針の成立及びその全体の状況を浮き彫りにすることである。
 満洲国におけるモンゴルの問題を考える際、日中関係の枠組みにおいて現在の視点から一面的に理解することは、歴史におけるモンゴルの独自性を見失うことになりかねないので、 この時代におけるモンゴルについての研究は十分な歴史資料に基づくと同時に当事者たちの認識や見方についても丁寧に分析する必要があると考える。

※例会終了後には、会場近くで懇親会を予定しております。

 本会では来年度以降の発表希望者を募集しております。
 発表者には懇親会費無料の特典つき。
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