2006年 仙人の会7月例会発表


発表者:増田厚之氏(学習院大学大学院人文科学研究科博士後期課程)

日時:7月16日(日) 14:00−18:00頃まで

場所:法政大学 92年館(大学院棟) 6階601号教室

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 交通機関については、こちらをご覧ください。
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発表題目 
碑文から見る会館機能の可能性 ―清代の雲南省蒙自県を例に―

要旨
 これまでの会館研究では、あくまでも民間で運営される同郷者・同業者互助組織との面が大きく扱われてきた。しかし、中国雲南省蒙自県に存在する会館碑文を確認すると、それまでの研究に無かった新たな役割が見えてきた。会館は、自己経営によってその組織を維持していた。しかし、碑文によると、その資金を狙って遊民が不法占拠を行なっている。このような事態に対して、蒙自県及びその上位に位置する臨安府は、会館への積極的干渉を行い、また、この問題の解決のため、総督・巡撫に裁決を求めた。これは、会館に蒙自県以外の地域からやってきた人間を確認する機能があり、蒙自県などにとっても非常に重要な機能であると言及されている。つまり、会館は単なる民間互助組織というわけではなく、清朝の支配・統治を補完する施設であった可能性が高まったといえる。さらに、このような事例が雲南省以外の会館碑文に見られないことから、これが少数民族が多数存在する雲南省において特に顕著な特徴であった可能性も存在する。

例会終了後には、会場近くで懇親会を予定しております。
 なお当会では発表者を随時募集しております。発表者には懇親会費無料の特典つき。
 発表希望または例会についての問い合わせ等は清水享(qingshui@chs.nihon-u.ac.jp)もしくは片岡樹(tatsuki821@yahoo.co.jp)までお知らせ下さい。