2005年 仙人の会7月例会発表


発表者:広池真一氏 (東京大学大学院人文社会系研究科)

日時:7月10日(日) 14:00−18:00頃まで

場所:法政大学 市ヶ谷キャンパス 大学院棟 (お堀の外側の校舎になります) 601号教室

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発表題目 
「青海チベット族における「宗教」概念」

要旨
 本発表の目的は、中国のチベット族地域における「宗教」概念が如何なるものであるかを検討することである。中国に入ってきた「宗教」概念は、1890年代にreligionの訳語として入ってきた比較的新しい語であるが、学校教育等を通じて少数民族地域にも広げられた。チベット語では、”chos lugs”という訳語があてられることが定められている。これはかつて 教派、風習等の意味を担った言葉である。中国による教育を受けた大学生以上のチベット族には「宗教」の訳語としてかなり定着していると考えられる。
 本発表で対象とするのは青海チベット族の学生の使用する「宗教」の語である。筆者は2003年から2005年にかけて青海に居住し、主としてチベット族の大学生に日本語を教えた。この学生たちがどのように「宗教」という語を使用するか、聞き取りと彼らの書いた作文を通して、公的な「宗教」概念との違いという点から考察する。