発表者:Chu Xuan Giao (チュ・スワン・ザォ=周 春交)氏 (東京外語大学大学院)
日時:6月27日(日) 14:00−18:00頃まで
場所:法政大学 92年館(大学院棟:お堀の外側の校舎になります) 601号教室
JR中央線飯田橋あるいは市ヶ谷下車、徒歩約10分 外堀通り沿い
場所の詳細はこちら。
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交通機関については、こちらをご覧ください。
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発表題目
民間信仰と近代 ―九州地方の事例から―
要旨
日本を含めた東アジア、ベトナムにおける従来の民俗学的研究において、民間信仰はその地域文化の基層をなす民俗的観念の原初的表出という言説の中で表象されてきた。しかし、最近オリエンタリズム批判及びポストモダン、ポストコロニアリズムなどの思想運的な傾向のなかで、「人類学」や「民俗学」を再創造する反省的な研究がなされている。伝統といった、地域の個別文化を表象してきた自明の民俗的概念の再検討も促され、そして「民俗」は地域文化の基礎や古層などではなく、むしろ不断の歴史的変化に晒されてきたものだとの考え方が生じている。本研究は、長期現地調査を通じ、民間信仰を単なる民俗的観念の原初的表出という言説に置き換えるだけでその歴史的過程を十分に思慮することのなかった従来の研究を批判的に検討する。また、近代の枠組みの中で創り出された「民間信仰」概念を再考する。