○陶芸

魯山人写し染付竹林ぐいのみに備前徳利を合わせて

 

 ずっと昔から興味はあった。事実、小学4年で初めてのクラブ活動は陶芸クラブだったのだから。

 一人暮らしを始めてから、食器を自分で買うようになっていろいろと吟味するようになった。まだお金に余裕はない頃だったから、せいぜい1品数百円の物ばかりだったが、今見直しても意外とおもしろいものを選んでいたりする。

 就職して金銭的に自由が利くようになってからは、数千円単位の物まで手が出せるようになった。

 最初は備前焼。焼き締めには信楽とか伊賀とか色々あるが、備前の土のきめ細かさ、火だすきといった窯変の味わいはちょっと他にはない。主に酒器や湯飲みを買い、いまだ飽きがこない。

 最近は茶の湯への関心から、志野、織部、黄瀬戸がいい。特に黄瀬戸の黄色はあらゆる食材の色合いと合う。マグロの赤、鯛や平目の白、焼いた肉やコーヒーの茶、海苔の黒、野菜の緑、黄、青。何を盛っても違和感がない。先日超廉価で購入した平茶碗もお茶だけでなく様々に使っている。

 一方思うことは、最近の作家物には民芸品に毛が生えたような、何がやりたいのか分からないようなのも多いということ。まあ、それが好きで買う客があればよけいなお世話なのだろうが、食器として使われることを望むなら、陶芸を志す者も食には多大の関心を持つべきだし、お茶もやるべきと思う。

 魯山人にならい、作陶への願望も日増しに強くなるのだが、金銭的な問題と時間上の制約で今のところ思案中。最近の陶芸教室も土や釉薬が豊富で自分の趣向に合ったものができるようだ。ぜひ近い内に挑戦したい。 (1997.9.13)

 

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