○亭主の百科事典 〜前代用語の基礎知識〜
○第1巻・暦
〜番外編・西暦2000年とは〜 (2000.1.3)
西暦がキリストの生誕に基づくものとは誰もが知っていることだが、では一体いつから使われてきたのだろうか。朝日新聞の記事(1999.12.16)から抜粋する。
西暦紀元が出来たのはイエスの死から500年程経った頃(西暦525年)、考案者はローマの修道士ディオニシウス・エクシグウスとされている。それはイエスのよみがえりを祝う復活祭の日程を特定する作業の中で生まれた。
キリスト教で最も神聖な祝日、復活祭は”春分の日の後の、最初の満月の後の、最初の日曜日”とされており、それは毎年移動し532年周期で一巡する。
イエスが復活したのは3月25日とされており、3月25日が上記の日に当たる年を探し、その532年前を復活の日と考えた。イエスは30歳で死んだとされていたので、その30年前を西暦元年と定めたのであった。
天地創造を元年とする創世記元が支配していたキリスト教圏であったが、他の文明が持つ聖書を超える古い歴史の説明がつかず、紀元前という使い方が発生したのは17世紀だった。
このようにして生まれた西暦であるが、根拠が伝承に基づくなど曖昧と言えば曖昧。一方で聖書には、イエスは紀元前4年に死んだユダヤ王ヘロデの治世に生まれたとの記述があり、これに従えば、今年は遅くても西暦2004年ということになってしまう。そう、ノストラダムスの予言したという1999年の7の月もとっくに過ぎているのである。(もっとも、この終末思想は別にノストラダムスの専売特許ではなく、当時のキリスト教圏では常識だった。天地創造から6千年でこの世は終わるとされており、イエスの誕生は創世紀元4000年頃とされていたから。なるほど、大予言ブームに過熱したのも日本だけか。)
西暦2000年もそれ自体は他の年となんら変わらない。暗い世相が少しでも明るくなる契機になるのは結構なこと、別に変に醒めてみるつもりはないが、商魂あふれるミレニアムブームに乗せられてばかりというのもどうか。今年の暮れもまた、盛り上がるのだろうけど。
・暦法
五行:木・火・土・金・水の5つの要素が天地間を循環・流動し万物を組成・支配していると考えた中国古来の思想。
十干:五行を兄(エ・陽)、弟(ト・陰)に分けた。
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十二支:十二宮(春分点を起点にし、黄道を十二等分した名称)のおのおのに獣の名をあてた。
以上、十干、十二支を組合わせて(干支、えと)日時や方位を表した。60種の組合せが出来、年に当てはめたとき一巡することを還暦と言う。
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1甲子(きのえね) |
11甲戌(きのえいぬ) |
21甲申(きのえさる) |
31甲午(きのえうま) |
41甲辰(きのえたつ) |
51甲寅(きのえとら) |
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2乙丑(きのとうし) |
12乙亥(きのとい) |
22乙酉(きのととり) |
32乙未(きのとひつじ) |
42乙巳(きのとみ) |
52乙卯(きのとう) | |
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3丙寅(ひのえとら) |
13丙子(ひのえね) |
23丙戌(ひのえいぬ) |
33丙申(ひのえさる) |
43丙午(ひのえうま) |
53丙辰(ひのえたつ) |
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4丁卯(ひのとう) |
14丁丑(ひのとうし) |
24丁亥(ひのとい) |
34丁酉(ひのととり) |
44丁未(ひのとひつじ) |
54丁巳(ひのとみ) | |
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5戌辰(つちのえたつ) |
15戌寅(つちのえとら) |
25戊子(つちのえね) |
35戊戌(つちのえいぬ) |
45戊申(つちのえさる) |
55戊午(つちのえうま) |
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6己巳(つちのとみ) |
16己卯(つちのとう) |
26己丑(つちのとうし) |
36己亥(つちのとい) |
46己酉(つちのととり) |
56己未(つちのとひつじ) | |
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7庚午(かのえうま) |
17庚辰(かのえたつ) |
27庚寅(かのえとら) |
37庚子(かのえね) |
47庚戌(かのえいぬ) |
57庚申(かのえさる) |
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8辛未(かのとひつじ) |
18辛巳(かのとみ) |
28辛卯(かのとう) |
38辛丑(かのとうし) |
48辛亥(かのとい) |
58辛酉(かのととり) | |
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9壬申(みずのえさる) |
19壬午(みずのえうま) |
29壬辰(みずのえたつ) |
39壬寅(みずのえとら) |
49壬子(みずのえね) |
59壬戌(みずのえいぬ) |
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10癸酉(みずのととり) |
20癸未(みずのとひつじ) |
30癸巳(みずのとみ) |
40癸卯(みずのとう) |
50癸亥(みずのとうし) |
60癸亥(みずのとい) |