柳和暢氏のLive Paintingによる作品は、いわば現代の山水画です。
ここではペインテングを通して、山を眺めたり、山に入って遊んだりすることで、「山」の風景が誕生しています。
中国では古くから山水画の技法が伝えられています。すなわち「気韻生動」「応物象形」「経営位置」「伝移模写」「随類賦彩」「骨法用筆」の六つであり、この中で最も大切なのが「気韻生動」です。
これは人の心象が天意に反映し、天地間の気の生動をもたらすという東洋的宇宙論に、その根拠を置いています。
柳和暢氏のLive Paintingは、まさに気韻生動に満ち満ちた作品です。しかも山水の六法の全てを私たちはそこに読みとることができます。見事なコンポジションであり、見事な風景になっています。
そして、Live Paintingをしている柳氏の姿は、山界で修行する修験者のようです。できあがってゆく作品を見て、ただ「山に向かって言うことなし」と思ってしまうのは単なる偶然でしょうか。
INDEX GALLERY代表 岩野正英
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