“一発芸ホテル”




(カランカラン)


客人「すいません。予約してあった市村なんですけど・・・。」


フロント嬢「はい、お伺いしております。市村様ですね。それでは突然ですが一発芸をお願いします。」


客人「はい。一発芸ですね・・・・・・・って、ええ!!。いい一発芸ですかぁ?」


フロント嬢「はい。」(にっこり)


客人「な、な、何でですか?ここってホテルですよねえ?」


フロント嬢「はい。ここ “一発芸ホテル” でh・・・・」


客人「ちょ、ちょ、ちょっとまってください!い、一発芸ホテルって・・・・。
    ここは “〇〇ホテル” じゃないんですかあ?」


フロント嬢「はい。 “〇〇ホテル” とは仮の姿。ここは一発芸の一発芸による一発芸のためのホテル、
その名も “一発芸ホテル” です。」

フロント嬢「一発芸・・・・。それは選ばれし者に与えられるもの・・・・。」


客人「え、あ、あの?もしもし?」


フロント嬢「私、常日頃から思うんです。お金・地位・名誉 それだけあればいいのかと・・・。それがすべてなのかと・・・。」


客人「も、もしもし?」


フロント嬢「特別な才能を持っているのに、このせちがらい世の中で自分の才能を埋もれさせている人が
世の中に何人いるやもしれません。」


客人「おーい・・・・・。」


フロント嬢「それなのに、嗚呼それなのに!!ただお金がないとゆうだけでただのホテルにも泊まれない・・・。
そんな世の中にメスを入れるのがこの “一発芸ホテル” です。(にっこり)
ここ “一発芸ホテル” では一発芸の才能のある人を最優先に考えておりまして、
まずホテルに着いたらここで一発芸を披露していただきます。」


客人「こ、ここでですか?」


フロント嬢「はい。(にっこり)一発芸の審判は “日本一発芸連合” 名誉会長であるこの私がさせていただきます。」


客人「何ですかそれ・・・・」


フロント嬢「私が「素晴らしい」と判断した人には、このホテルのスイートにお泊まりいただくだけでなく、
その人が望むであらば、デビューまでの完全バックアップをさせていただきます。」


客人「・・・・・・。」


フロント嬢「一発芸のランクによってお部屋のランクは変わります。「スイート」から「犬小屋」まで。」


客人「い、犬小屋あ?」


フロント嬢「はい。まあ、よっぽどの事がない限りですが。」


客人「だいたいなんで仮の名前にしてあるんですか?僕普通のホテルに泊まりたかったのに・・・。」


フロント嬢「こうでもしないと誰も寄りつかないじゃないですか!!」


客人「当たり前じゃないですか!!」


フロント嬢「さあお客様。どうしますか?」


客人「どうしますかって・・・・・。あの、この近くに別のホテルとかないですか?


フロント嬢「ここから山を三つ越えたとこr」


客人「是非やらせてください。」


フロント嬢「そうですか。それでは、はりきってどーぞ!」


客人「それにしても一発芸かあ・・・。よおし!それじゃあ北島三郎のものまねいきまあす!
よさあくは〜きい〜をきるう〜。へいへいほお〜♪」


フロント嬢「・・・・・・・・・・・。」


客人「な、なんですか?そんな気むずかしい顔なんかして。じゃあこれなんかどうです?
GLAYのものまね!いつか二人で行きたいねえ〜雪がつうもる頃にい〜♪」


フロント嬢「・・・・・・・・・・。」


客人「ななな何ですか!何で泣いてるんですか?分かってますよ。声がものすごい裏返ってるぐらい!
分かりました。こうなったら奥の手です。よく分かんないけどウーパールーパーのまねえ!」
(とりあえず口をぱくぱくさせている。)


フロント嬢「・・・・・・分かりました。あなた様のお部屋は・・・・・。」


客人「・・・・いえ、いいです。そんな哀れな目をされたんじゃあ・・・・。どこかで野宿でもさせていただきますよ。」


フロント嬢「すいません。ここは一発芸の一発芸による一発芸のためのホテルですから・・・・。」


客人「僕に一発芸の才能はないみたいですね。」


フロント嬢「大丈夫ですよ!あなたにもあなたにしかできないことがあります!
例えば人を哀れにさせることとか!


客人「全くフォローになってませんよ!」


フロント嬢「それでは、またのご利用をお待ちしております。」


客人「恐らくもう来ませんよ。それじゃあ・・・・。あっそうだ!僕聞きたいことがあるんですけど。」


フロント嬢「なんですか?」


客人「この “一発芸ホテル” って名前、どうにかならないんですか?」


フロント嬢「
よけいなお世話です。さようなら。」



“一発芸ホテル” は今日もあなたをお待ちしております。

>>モドル