釣りをする人






例えば空から天使が降りてくるとか、



急に魔法が使えたりするとか、



骸骨が墓場から飛び出してくるとか、



そう例えば、水の一滴もないこの砂漠で魚が釣れるとか、



そんなことをニヤニヤ考えながら、釣り人は釣り糸を垂らしていました。




僕は聞きました。

「釣れますか?」

「いいえ」

釣り人が答えました。


「これから先、此処で何か釣れると思いますか?」

「いいえ」

「では何故、ここで糸を垂らしているのですか?」

「ここで魚が釣れたらびっくりするでしょう?」

「はい」



「だから糸を垂らしているのです」



釣り人は楽しそうに言いました。





僕は釣り人と別れました。

歩きながら僕は考えました。


ーもしあそこで魚が釣れたら、

あの釣り人はどうするだろうか。


泣くだろうか


怒るだろうか


笑うだろうかー




きっと、笑って魚を元の砂に帰すのだろうな。




きっと、そうゆう風にしか生きられなかったのだろうね。



グッバイ釣り人。

今日も一日晴れでありますよう・・・・