影法師







「影法師です。」


「は?」


「拙僧は影法師です。」


「え…?」


「ですから、拙僧は影法師です。」


「…あの、すいません。あなたは、」


「影法師です。」


「いえ、そうでなくて。あなた、影ですよね?」


「はい。影法師です。」


「すいません。影法師というのは光が当たって出来る人の影のことであって、
影の形をした法師様のことではないことをご了承頂きたいのですが。」


「ええ?!本当でございますか!」


「はい。本当でございます。」


「えー、そうかー。まいったなー。
リアル僕と魔王ごっこが出来ると思ったのにな…」


「分かったら帰って下さい。」


「はい。申し訳ございませんでした。」(ズブズブ…)


「はあ…」












「お母さーん。あの人の影、思いこみだけで喋ったよー。」


「あんな人にならないように、今からきちんと常識を身につけておくのよ。」